産地直売
カラフルなナス
直販にこだわり、味で勝負
- 2016年8月4日 神奈川新聞掲載

丹沢の山を望む小田原・下中地区の農園。小沢園芸の小沢明人さん(39)は「露地物は新しい試みなんです」と話す。
畝が整然と並んでいて、一見ありふれた風景のように思えた。ところが、生い茂るナスの葉をかき分けると、米ナス、「マー坊」、緑ナス、白ナスと、さまざまなナスが少しずつ栽培されており、驚く。「ラタトゥイユ(揚げびたし)にすれば、彩りのよい一品になります」と小沢さん。

豊富な井戸水と牛ふん堆肥、そして培ってきた技術で、野菜の味には自信がある小沢さん。だが、野菜の需要低迷に悩んでいる。単身世帯も増え、家庭で大量の野菜を調理することはなくなった。そこで「おいしいものを少しずつなんじゃないか」と小沢さんは考えた。多品種少量栽培の畑は、現代の食卓に合わせた形なのだ。
小沢さんは、同地で20代目と伝わる専業農家だ。父和明さんの代でミカンから転作し、キュウリのハウス栽培から野菜作りは始まった。小沢さんが就農して程なく、トマトのハウスも完成した。市場や箱根に出荷していたが、「野菜の味で売りたい」(小沢さん)と直売だけになった。

旬に取材したつもりだったが、評判のトマトの収穫は終わり、キュウリも終盤という。「紫外線が強すぎるんです」と小沢さん。近年の気候変動で、遮光カーテンは欠かせなくなった。キュウリの植え付けも5月上旬と「父の代では考えられないくらい早い」と嘆く。
それでもキュウリのハウスに入ると、夏野菜の豊かな香りでいっぱいだ。野菜本来の味と香りを大切にする、小沢さんの気持ちが伝わってきた。
★お薦め品
◇ナス各種 1袋100~170円
◇キュウリ 1袋100~170円
◇モーウイ(赤毛瓜、沖縄野菜) 1個200~250円
※魚介類や野菜など生鮮食料品の価格・種類は、水揚げ量や収穫量、天候などの影響で変動します。
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