とれたて
浜柿
「草生栽培」で生育促進
- 2016年11月17日 神奈川新聞掲載

横浜市泉区の小山修兵さん(55)の柿畑で、柿の代名詞「富有」が今、収穫のピークを迎えている。甘くておいしい秋の味覚を求め、毎年多くの買い物客が訪れ、人気を集めている。
果樹農家「中西園」が柿の栽培を本格的に始めたのは、東京オリンピックが開催された1964(昭和39)年。小山さんの父親が基盤を築き、栽培に加えて直売を始めたのは40年ほど前からだという。今では柿の生産者が多い同区だが、「中西園」はその先駆けだった。
自宅裏手など約8千平方メートルの柿畑には、赤く色づいた「富有」や「次郎」がたわわに実っている。樹上で完熟した状態で収穫した柿は「浜柿」と呼ばれ、横浜市が認定するブランド農産物として名高い。

足元を見ると一面に草が生えている。「草生栽培」と呼ばれる手法で、ミミズを増やすことで土壌を活性化し、果樹の生育を促進させるのだという。さらに、有機肥料を中心に、牛ふんや鶏ふんを加えるなど、土作りに工夫を凝らす。一方で、畑が住宅に近いことから「農薬をまく回数を減らし、なるべく自然な方法で育てています」とも話す。
今年の収穫は10月下旬から始まり、12月上旬ごろまでを予定。開店時間に合わせ、早朝から収穫作業を1人で行う。色づきや大きさを一つ一つ確認しながら、実に傷が付かないよう慎重に取り扱う。「寒くなり、色づきも一層濃くなりました。糖度も十分です」と太鼓判を押す。
同園では、柿のほか、8月に収穫期を迎える梨も栽培している。梨の摘果、柿の摘蕾(てきらい)作業が重なる5月は毎年大忙し。そうした苦労も「お客さんの満足そうな笑顔を見ると吹き飛ぶ」と、うれしそうに話す小山さん。柿は市場に卸さず、すべて直売と贈答用で販売している。

★お薦め品
◇浜柿「富有」など
各1袋小(1.2キロ前後)500円、
大(1.7~2キロ)千円

※魚介類や野菜など生鮮食料品の価格・種類は、水揚げ量や収穫量、天候などの影響で変動します。
この記事に関連するタグ
シェア、または新聞を購入する
- LINE
- URLコピー
- 掲載日付の
新聞を買う
推しまとめ
かながわの地域ニュースなら
「カナロコ」

「神奈川」の事件・事故、話題、高校野球をはじめとするスポーツなど幅広いローカルニュースを読むなら、地元新聞が運営するニュースサイト「カナロコ」がおすすめ。電子新聞が読めたり、便利なメルマガが届く有料会員もあります!