とれたて
アナゴ
横浜・小柴名産直売所で買える穴子 肉厚で身もやわらか、料理人の評価も高い
- 小柴名産直売所(横浜市金沢区)
- 2017年11月23日 神奈川新聞掲載

旬は夏といわれるアナゴだが、東京湾の「江戸前アナゴ」は餌となる小魚やエビ、カニなどが豊富なため、一年を通して脂がのっておいしい。中でも、横浜市金沢区の柴漁港で揚がるアナゴは「小柴のアナゴ」と呼ばれ、料理人からの評価も高い。
「アナゴが大好き。東京湾のアナゴは日本一だと思っている。肉厚で身もやわらか、顔もかわいいよ」と目を細めて笑うのは、同港で第六金亀丸(きんきまる)を操業する斉田芳之さん(62)。地元で約700年続く、漁師の家に育ち、大学卒業後に家業を継いだ。底引き網漁からスタートし、自分の船を持ってからは「アナゴ筒漁」一筋36年。この辺りのアナゴ漁は、季節によって底引きと筒を使い分けるのが一般的だが、斉田さんは一年を通して、筒漁に取り組む。

斉田さんが行う「筒漁」は、直径約10センチ、長さ約80センチほどの塩化ビニール管(筒)を縄でつないだ仕掛けを海に投入し、アナゴが入るのを待って引き揚げる。筒は1度入ったら出られない仕組みで、中にカタクチイワシなどの餌を仕掛けておく。
アナゴは漢字で「穴子」と書くだけに、狭い穴が大好き。この習性を利用したのが筒漁だ。「アナゴはストレスが掛かると、身が硬くなり鮮度が落ちる。アナゴへの負担の少ない筒漁は、何よりアナゴにやさしい」と斉田さん。
「横浜・柴漁港内の食堂・小柴のどんぶりや」衣サクサク、身はふっくら 穴子丼一本盛
さらに、斉田さんが使う筒の側面には、稚魚を逃がすための小さな穴が空いている。資源を守り次世代につなげるためのこうした工夫は、斉田さんを中心に柴漁港から始まり、千葉、東京と東京湾全体へ広まったという。
水揚げしたアナゴは東京・築地市場をはじめ、横浜市中央卸売市場本場などへ出荷するほか、地元漁協が運営する直売所でも販売。隣接する食堂では、ボリューム満点の「穴子丼」も味わえる。
ここで買える
小柴名産直売所
横浜市金沢区柴町397、柴漁港内。シーサイドライン海の公園柴口駅徒歩6分。駐車場あり。日曜・祝日午後1時半~4時(売り切れ次第終了)。電話045(785)6161=開催日の午前9時以降対応。
【食・Point】
直売所では、食べやすいように、頭、骨、身に分けてさばいてくれる無料サービスを行っている。「頭はだしに、骨はじっくり揚げれば骨せんべいに。捨てる部分がないよ。アナゴ本来の味を楽しむなら白焼きが一番」と斉田さん。料理に適した大きさは体長40センチ前後。小ぶりなものは天ぷら、40センチ以上は煮アナゴ、45センチ以上は白焼きがお薦め。

ここで食べられる
隣接する「小柴のどんぶりや」は、金曜と土日・祝日午前11時~午後2時(売り切れ次第終了)。電話045(701)8182=平日午前9時~午後5時対応。
「穴子丼 二本盛定食」(1600円)は、アナゴ大2本、野菜2種類に、ご飯、みそ汁、小鉢が付いている

※魚介類や野菜など生鮮食料品の価格・種類は、水揚げ量や収穫量、天候などの影響で変動します。価格などは変わっている場合があります。
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