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テーマ特集 日本クラシックホテル②
東京ステーションホテル 文豪作品の舞台

  • 2018年3月31日 神奈川新聞掲載

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 歴史を感じる建物と行き届いたサービスで、戦前からの伝統と格式を持つ「クラシックホテル」。横浜のホテルニューグランドや、箱根の富士屋ホテルを含む全国の老舗9ホテルが2017年11月、「日本クラシックホテルの会」(濱田賢治会長)を立ち上げました。同会加盟ホテルの魅力や、訪れた著名人との逸話を紹介します。(2/10)


 関東大震災にも耐えた重厚な赤れんが造りで知られるJR東京駅丸の内口。国の重要文化財に指定された駅舎2、3階の大部分は、1915年開業の「東京ステーションホテル」の客室が占める。「“見せ物”ではない、生きた文化財」。総支支配人の藤崎斉さん(61)は、常に人が行き来する駅のホテルをこう表現する。


 2007年から12年まで、丸の内口駅舎は太平洋戦争の空襲で焼失した3階部分の復元工事が行われた。工事準備のため、ホテルは着工より一足早い06年から休業。3階の大半がホテル客室になったのに合わせ、既存部分も内装を近代化した。

 一方、吹き抜け構造の南口を囲む特徴的な客室は残した。3階の天井付近は、機関車の動輪や鳳凰(ほうおう)をモチーフにした装飾がよみがえった。終電から始発までの時間、静寂のドームを独り占めできる。


 12年の再開後に客室に置かれたメモ用紙は、原稿用紙のような升目が入っている。多くの作家がホテルを執筆の場に利用したことにちなんだ。江戸川乱歩の「怪人二十面相」や川端康成の「女であること」は、ホテルが作品の舞台に。東京駅のトリックが核になる「点と線」を著した松本清張も定宿にした。

 日本銀行本店を手掛けた辰野金吾設計の駅舎は、文化財保存のため、構造を変えるのにも制約が多い。エレベーターは増設できず、客室によっては廊下を50メートルほど歩かなければいけない。廊下には、開業時の写真や絵はがきを飾り、宿泊客が眺めながら少し休憩できるよう、細やかな心配りも忘れない。


 宿泊客から届く手紙には「集団就職で駅に着いた時、ホテルからオムレツの匂いが漂ってきた」「上司に連れて行ってもらった初めてのバー」など、思い出が添えられる。「このホテルは、お客さまの人生が投影されている」と藤崎さん。さまざまな人生模様が交錯する「駅」という存在の大きさを日々感じている。


東京ステーションホテル

住所 東京都千代田区丸の内1丁目9−1
アクセス JR東京駅丸の内南口改札に直結。東京メトロ丸ノ内線東京駅徒歩3分
電話 03(5220)1111

[おことわり]この情報は新聞掲載日時点での情報です。掲載日以降、内容に変更が生じる場合がありますのでご了承ください。


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