推し
日本クラシックホテル③
【万平ホテル】ジョン・レノンが愛したクラシックホテル
- 2018年3月31日 神奈川新聞掲載
歴史を感じる建物と行き届いたサービスで、戦前からの伝統と格式を持つ「クラシックホテル」。横浜のホテルニューグランドや、箱根の富士屋ホテルを含む全国の老舗9ホテルが2017年11月、「日本クラシックホテルの会」(濱田賢治会長)を立ち上げました。同会加盟ホテルの魅力や、訪れた著名人との逸話を紹介します。(3/10)

万平ホテル(長野県)
浅間山が悠々とデザインされたメインダイニングルームのステンドグラス。山裾をよく見ると、街道を行く馬やかごが描かれている。「万平ホテル」が、江戸時代には旅籠(はたご)「亀屋」だった歴史を伝える装飾だ。総支配人の山田敏彦さん(65)は「九つのクラシックホテルの中で、宿としての歴史は最も古いんです」と語る。
中山道の宿場として栄えた軽井沢。明治以降は、標高約千メートルの冷涼な気候が西洋人に愛され、国際的な避暑地として発展していく。「亀屋」9代目の佐藤万平は、見よう見まねでパンや魚のフライの作り方を覚え、1894年、軽井沢初のホテルを創業した。ふすまで仕切った個室に大工が作ったベッドを置いてスタートした。

木立の中にある現ホテル本館のアルプス館は1936年の建築。日光金谷ホテル(栃木県日光市)も手掛けた久米権九郎が設計。スイスの山小屋風の外観は、実は当地の養蚕農家をイメージしたとされ、和と洋が美しく調和する。

作家池波正太郎は10代の後半、同ホテルに初めて宿泊した時の印象を「いかにも格式が高く、それでいて、若い私たちにも親切」(「よい匂(にお)いのする一夜」)とつづる。70年代後半には元ビートルズのジョン・レノンが毎夏、家族と宿泊。その客室は今も利用できる。
万平ホテル
住所 | 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢925 |
---|---|
アクセス | 北陸新幹線軽井沢駅からタクシーで5分。上信越道碓氷軽井沢インターチェンジから20分
|
電話 | 0267(42)1234 |
[おことわり]この情報は新聞掲載日時点での情報です。掲載日以降、内容に変更が生じる場合がありますのでご了承ください。
この記事に関連するタグ
シェア、または新聞を購入する
- LINE
- URLコピー
- 掲載日付の
新聞を買う
推しまとめ
かながわの地域ニュースなら
「カナロコ」

「神奈川」の事件・事故、話題、高校野球をはじめとするスポーツなど幅広いローカルニュースを読むなら、地元新聞が運営するニュースサイト「カナロコ」がおすすめ。電子新聞が読めたり、便利なメルマガが届く有料会員もあります!