とれたて
原木シイタケ
味や香り、歯応え十分
- 吉村しいたけ農園(相模原市緑区)
- 2018年10月11日 神奈川新聞掲載

周囲に畑が広がるのどかな住宅地に「原木しいたけ」の看板。その先に吉村孝幸さん(65)のシイタケ農園がある。
ハウスには長さ約90センチ、500本ほどの「ほだ木」が行儀良く並び、生育中のシイタケがあちこちから顔をのぞかせる。「シイタケの栽培は、原木栽培と菌床栽培に分けられます。うちは原木の施設栽培になりますね」と吉村さん。現在は、味や形、食感の異なる3種類のシイタケを育てている。
今や市場の9割を占めるという菌床栽培のシイタケは、おがくずを固めた「菌床」で養分を与えて栽培する。成長が早く、安定供給、大量生産が可能だ。

一方、原木栽培は自然に近い環境を再現した手間暇のかかる方法だ。冬から春にかけ、コナラなどの原木にシイタケの菌を打つ。温度や水の管理をしながら半年から1年半ほどかけて木の中に菌糸を広げ、“シイタケの芽”を作る。「シイタケの旬は春と秋。ここでは人工的に春・秋の状態を作り、雨の代わりに、原木を水に浸して発芽を促します」。1日の気温差、湿度差がある方が肉厚でボリュームのあるものができるため、出荷まで温度・湿度管理など細やかな気配りを欠かさない。この時期は1週間ほどで出荷できる大きさになるという。
鮮度の良いシイタケは、カサの裏のヒダが白くて立っているもの、カサの縁にある「リンピ」と呼ばれる白い毛のようなものがきれいに出ているものだそう。「水っぽいものは30分ほど天日に干すとおいしく食べられますよ」と吉村さん。
原木の高騰や人手不足など厳しい状況に置かれている原木栽培。それでも吉村さんがこだわるのは、「味や香り、歯応えが違う」から。「ほかのシイタケは食べられない」という客の声に後押しされて栽培を続けている。

お薦め品
原木シイタケ
1袋 500円ほか(100グラム100円~)
吉村しいたけ農園
住所 | 相模原市緑区大島540の2 |
---|---|
アクセス | 橋本駅からバスで上大島下車15分
|
電話 | 042(733)1767=午前9時~午後5時 |
営業時間 | 水・土曜午後1時半~4時。他の曜日は電話で注文を受け付ける |
[おことわり]この情報は新聞掲載日時点での情報です。掲載日以降、内容に変更が生じる場合がありますのでご了承ください。
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