テーマ特集
遊び心誘う昆虫⑤
アリはみんな働いている?! 秘密探る近藤正樹さん
- 近藤蟻蜘蛛研究所(小田原市)
- 2020年4月25日 神奈川新聞掲載
新緑がまぶしい季節。虫たちにとっても、目覚めの時期。昆虫に関するさまざまな話題を集めてみました。身近な生き物の魅力に触れてみませんか。(5/6)

アリを研究して約50年。近藤正樹さんは幼い頃からアリが好きだったわけではなく、県立小田原高校生物部に入った際、身近にいるアリがどんな生物かを知るため研究対象に選んだ。大学院時代には、働きアリの肥満度による行動の差などを研究。その後は、富士山に生息するアリの研究を継続的に行っている。

「アリには働くアリと働かないアリがいるといわれているが、働いていないわけではない」と近藤さん。若いアリは巣の中で、幼虫をなめて乾燥しないようにするなどの世話をし、いわば家庭の手伝いをしているのだという。その後、外へ出て働くアリがいるのは、空腹が原因だと近藤さんは考えている。また、時折見掛ける羽アリは生殖前のアリで、交尾をすると雌アリは羽が落ちる。交尾をした後、雄アリは死んでしまうため、働きアリに雄はいないそうだ。

現在日本にいるアリは約300種。神奈川には約80種が生息している。「今の子どもは遊びから学ぶ機会が少ない。ぜひ、身近にいるアリをじっくり観察してほしい」と近藤さんは呼び掛ける。
☆1934年生まれ。横浜国立大卒、東京都立大大学院で理学博士号取得。著書に「アリの王国」(ポプラ社)など。近藤蟻蜘蛛研究所所長、日本蟻類研究会会長。小田原市在住。

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