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【かながわの本/ヨコハマ文芸 第3号】十人十色の街の記憶

  • 2020年4月5日 神奈川新聞掲載

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 2018年に発足した「横浜文芸の会」による総合文芸誌が第3号を出した。今号のテーマは横浜。小説、詩歌、随筆など多様なジャンルで横浜が描かれる。

 冒頭の小説「野毛ちかみち」(かがわとわ)「恋があった日々」(牧野薊)「おいで蝋人形館」(塚田吉昭)「久美子の休日」(黒崎つぐみ)には野毛、相生町、大さん橋、その近くのレストラン「スカンディヤ」…と固有名詞が登場し、読んでいて楽しい。

 長年、沖縄を取材する渡部允は評論「横浜の『ウチナーンチュ』」で沖縄出身者が集住する地域の歴史的背景を説く。本誌の編集を手掛ける植竹伸太郎は「シンチューグンがいたころ」と題して、金網に遮られた接収地の記憶を描写。芥川賞作家の宮原昭夫は「記憶の謎」と題し、幼いころ眺めたらしい海軍の観艦式を、ニュース映画の映像を交錯させながら思い出す。

 120ページ余りの厚みに会の活況がうかがえる。年2回の刊行を目指し、会員は執筆や編集に奔走している。有隣堂など県内主要書店で販売。

 横浜文芸の会/著、同会事務局(植竹方)、550円


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