テーマ特集 【絵本で考える平和】1万冊の絵本そろえる保育園 平和の日常、守る努力
- 新川崎えほんの森保育園(川崎市幸区)
- 2020年8月15日 神奈川新聞掲載
2020年8月20日公開 | 2020年8月15日神奈川新聞掲載

今年4月に開園した認可保育園。約1万冊の絵本をそろえ、園内のいたるところに配置しているほか、「こども図書館」も開設した。



園長の近藤由紀江さん(47)が選んだのは「かわいそうなぞう」(金の星社、1210円)。戦中、上野動物園では罪のない動物が殺処分されたが、その中でも最後まで残った3頭のゾウの話。「今は〝楽しい場所〟の動物園だからこそ、事実を知ってほしい」と話す。

園児に人気なのは、谷川俊太郎が記した作品。
6月末まで広島に住んでいた保育士の本間朝子さんは「へいわとせんそう」(ブロンズ新社、1320円)を選ぶ。「言葉で伝えるのが難しい小さな子どもにも〝戦争と平和の違い〟〝今は平和〟が伝わる」

同園を運営する「みんなのみらい計画」社長の浜田和人さんは「月刊たくさんのふしぎ2013年9月号『生きる』」(福音館書店、1430円)をセレクト。「何げない日常がつづられる中、戦争体験者である谷川さんの鋭い言葉が出てくる。平和な日常こそ、努力がないと守れないと気付かされる」


そのほかのお薦めの本

少年が遊んだ大きな木の視点で描かれた絵本。少年は成長して欲深くなるが、木は身を削って大人になった少年の願いを受け入れ続ける。〝環境〟〝平和〟など、木をどうとらえるかで異なるが、「無くなる前に、大切なモノに気付いてほしい」と、保育士の吉元弥生さんは話す。

3歳のイエペは、いつでもどこでも大好きなぼうしをかぶっている。身近にある人との〝違い〟を描き、違いを自然に受け入れる社会について考える。

石造りの家の視点で1900年から100年間の時代や人間の生活を描く。「人の暮らしは時代に翻弄される。戦争にはあらがえない。良くも悪くも〝見えない力〟があるという視点に気付かされる1冊。
新川崎えほんの森保育園
住所 | 川崎市幸区北加瀬1の10の1 |
---|---|
アクセス | JR新川崎駅徒歩9分
|
電話 | 044(280)9450 |
営業時間 | 午前7時~午後8時 |
定休日 | 日曜休み |
備考欄 | ※「こども図書館」は現在、園児と保護者のみ利用可能。コロナ収束後に一般開放予定。 |
[おことわり]この情報は新聞掲載日時点での情報です。掲載日以降、内容に変更が生じる場合がありますのでご了承ください。
【新着記事】





【あわせて読みたい特集】

子どもたちの夏休み。トラックや精密測定機器の歴史を学んだり、リサイクル施設などで環境について考えたり。親子で社会見学...

休館中の博物館などのウェブサイトを紹介します。どの施設も魅力あふれるサイトを展開しています。〝予習〟をして、今から来...

2020年6月27日公開 | 2020年6月13日神奈川新聞掲載 窮屈だった生活から日常が戻りつつあるとはいえ、まだまだ。そこで気分...

新緑がまぶしい季節。虫たちにとっても、目覚めの時期。昆虫に関するさまざまな話題を集めてみました。身近な生き物の魅力に...

春の暖かさを感じる季節。花や緑も輝きを増しています。暮らしに彩りを添える植物を育ててみませんか。(全6回)
この記事に関連するタグ
シェア、または新聞を購入する
- LINE
- URLコピー
- 掲載日付の
新聞を買う
テーマ特集まとめ
かながわの地域ニュースなら
「カナロコ」

「神奈川」の事件・事故、話題、高校野球をはじめとするスポーツなど幅広いローカルニュースを読むなら、地元新聞が運営するニュースサイト「カナロコ」がおすすめ。電子新聞が読めたり、便利なメルマガが届く有料会員もあります!