テーマ特集 【絵本で考える平和】絵本作家・相澤るつ子さん 選択することの大切さ知って
- 相澤るつ子さん(二宮町)
- 2020年8月15日 神奈川新聞掲載
2020年8月21日公開 | 2020年8月15日神奈川新聞掲載

「戦争はまだ終わっていないの」と、絵本作家の相澤るつ子さん(73)。
作家活動の傍ら美術の非常勤講師を務めていた頃、問題行動を起こす子どもたちに出会った。心が通い合ったと感じる交流が契機となり、心理学や「表現アートセラピー」を学ぶ中、原因の一つに戦争があると知ったという。
戦時下に子どもたちが自分の命を軽んじ感情を表現できない教育を受け大人になったこと、戦後の教育などによって地域ぐるみで子どもを大切に育てる日本の宝とも言える文化が途切れたことなどを知り、残したいとの思いに至った。

「コインでつなぐ平和の鐘」(国連平和の鐘を守る会、1650円)は、戦争を経験した日本人男性の呼び掛けで、世界各国から集められたコインを溶かし、平和の鐘が作られたという実話に基づく。鐘は1954年、国連本部に贈られた。

相澤さんは「絵本にはダイレクトに心に伝える力がある。いろいろなことを知りたいと思うきっかけになれば」と言う。「子どもたちには日々の小さな選択を自分ですることの大切さを知ってほしい。選ぶことで自分の本当の気持ちを知ることができ、それが幸せや平和につながる」と、優しくほほ笑んだ。
「ぼくたちのせーとばらい 二宮町山西のどんどやき」戦時下の二宮を記録する会
地域の大人たちが口出しすることなく見守り、子どもたちだけで「どんど焼き」の準備からの運営、金銭のやりとりや分配などを行う。たくさんの学びがあり、自分自身の存在を認めることができ、誰かの役に立つ喜びを知ることができた。このような祭りは日本中にあったが戦後急速に忘れ去られていくことに危機感を感じ、当時少年だった善波喜代治さんから話を聞き相澤さんが書き起こした1冊。
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