テーマ特集 【絵本で考える平和】空襲から逃げる一夜描く 読み聞かせで感じた本の魅力
- 幸田和子さん(厚木市)
- 2020年8月15日 神奈川新聞掲載
2020年8月22日公開 | 2020年8月15日神奈川新聞掲載

抜けるような澄んだ青空と、轟(ごう)音が聞こえるような描写が印象深い「とうきょうの空」。母から聞いた数々の戦争体験の中から、その父と二人でB29の空襲から逃げる一夜を描いた作品だ。

昨年までの25年間、厚木市内で児童書店「トロッコ」を営んでいた幸田和子さん(66)が自費で絵本を出版したのは2010年。宮ケ瀬の小・中学校に勤務していた頃、本の「読み聞かせ」で触れた子どもたちの素直な心や豊かに変化する表情を目にし、「本の魅力」を強く感じていた。
「実は戦争の絵本ってあまりなくて。『こんなことが本当にあったのよ』ということを、読み手をあまり怖がらせないで伝えたかったんです」と幸田さんは制作当時を振り返る。
元同僚で中学校の美術教諭だった高梨公弥子さん(56)が絵を描いて完成した一冊は、学校の平和教育や夏休みの課題として取り上げられることもあるという。

「手に取る人によって感じることはそれぞれだと思うんです。ただ、今の日本の平和が当たり前のものではないということを振り返ってほしいですね」と幸田さんは絵本に込めた思いを語る。本書は、厚木市内の図書館などで読むことができる。
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