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推し 神奈川の妖怪伝説
一つ目の妖怪「ミカリバアサン」 シルク博物館副館長・高橋典子さんに聞く

一つ目の妖怪ともされる「ミカリバアサン」。「ローカルすぎて当時絵に描く人はいなかったのでは」と高橋さん。全国区の一つ目小僧は多数の〝姿〟が残る。この絵は「豆腐小僧」という妖怪で、針が刺さった豆腐(針供養)を持っている。「大時代唐土化物」1816年、勝川春亭(国立国会図書館デジタルコレクション)
一つ目の妖怪ともされる「ミカリバアサン」。「ローカルすぎて当時絵に描く人はいなかったのでは」と高橋さん。全国区の一つ目小僧は多数の〝姿〟が残る。この絵は「豆腐小僧」という妖怪で、針が刺さった豆腐(針供養)を持っている。「大時代唐土化物」1816年、勝川春亭(国立国会図書館デジタルコレクション)

言い伝え

 川崎市と横浜市の一部の多摩川流域に伝わる妖怪、疫病神。一つ目とも言われる。12月8日と2月8日に訪れ、履物を外に出している家に災いをもたらす。ザルや目かごを軒下につるす、グミの木を燃やす、くず米で作った団子を供える、などの魔よけをする。地域により伝わる内容は異なり、名称もミカリバアサン(蓑借り婆さん)、メカリバアサン(目狩り婆さん)、ヨウカゾウなどと呼ばれる。

コトヨウカには〝恐れるべき存在〟が来ると伝わる地域が多い



 日本人のほとんどが農家だった時代。正月を挟んだ2カ月間は神様をお迎えし、収穫への感謝と来年の豊作や安全を願うさまざまな祭りごとが行われた。川崎周辺では、その始まりの12月8日を「事始め」、終わりの2月8日を「事納め」、両日を「コトヨウカ(事八日)」と呼び、今でも針供養などの行事や風習が残っている。



毎年2月と12月に川崎市立日本民家園で行う年中行事展示「ヨウカゾウ」。目かごが使われるのは、ミカリバアサンが嫌う「目」が多いからだといわれている(写真提供・日本民家園)
毎年2月と12月に川崎市立日本民家園で行う年中行事展示「ヨウカゾウ」。目かごが使われるのは、ミカリバアサンが嫌う「目」が多いからだといわれている(写真提供・日本民家園)

 「全国的にコトヨウカには〝恐れるべき存在〟が来ると伝わる地域が多い」と、民俗学に詳しいシルク博物館(横浜市中区)副館長の高橋典子さん。地域に神様を迎え、満足して帰ってもらうため「人々は自宅で身を清める『忌(い)み籠(ごも)り』を守る必要があった。やぶると罰が当たり、疫病神やいたずらをする妖怪として一つ目小僧、川崎市と横浜市の一部には『ミカリバアサン』となって伝えられたようです」と話す。

2021年8月2日公開 | 2021年7月24日神奈川新聞掲載


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