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神奈川の妖怪伝説
三浦半島に伝わる怪魚・鳳そう魚 「三浦怪談」著者の杉背やよいさんに聞く

言い伝え
江戸時代に相州浦賀の浜に出没し、生け捕られたという怪魚。目は鏡、顔は馬のようで、おなかは金色に光り、左右のヒレは手足のような姿をしている。これを見た人は病難をまぬがれると言い伝えられていた。
人々の未来を導く存在として描かれる

怪談好きという三浦市出身の作家・杉背よいさんは、2013年に三浦半島に伝わる伝承や妖怪を題材にした短編集「三浦怪談」を発表。その中の1編「占う魚」では、鳳そう魚が浦賀に打ち上げられた後、人々と交流する様を描いた。
主人公の青年・余市は浦賀で予言めいた宣託をする伝説の魚が打ち上がったといううわさを聞きつけて、占いに行く。赤子のような「愛らしい表情をした鳳そう魚」との不思議な体験を通して、余市は失いかけていた絵に対する情熱を取り戻していく。「ほんのちょっとだけなら先のことが見えるんでね」。そういたずらっぽく話す鳳そう魚は、人々の未来を導く存在として描かれる。
もし鳳そう魚が生きていたら、不思議な力で人々を救っていたのかもしれない-。そんな思いで書いた、と杉背さんは振り返る。「昔、横須賀にこんな怪魚が出たことを知って、土地の歴史に興味を持ってもらえたら」。
電子書籍端末「キンドル」にて100円で販売。
2021年8月6日公開 | 2021年7月24日神奈川新聞掲載
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