気になる 芸人で歌手のタブレット純 トークと歌声のギャップが魅力
- 2020年3月6日 神奈川新聞掲載

ギタレレ(ミニギター)をつま弾きながら、哀愁漂うメロディーでオチをつける「ムード歌謡漫談」が話題の、芸人で歌手のタブレット純。か細い声での脱力系トークと力強い歌声のギャップが魅力だ。大沢悠里や永六輔など、ラジオのベテランパーソナリティーの声帯模写も得意とし、複数のラジオ番組で人気を博すタブレットは「ラジオや昭和歌謡など、ずっと好きだったものが、今の仕事につながっている」と振り返る。
1974年生まれのタブレットは緑豊かな津久井湖(現・相模原市緑区)のそばで育った。「子どもの頃から、古い歌謡曲をかけてくれるAMラジオが好きで、玉置宏さんや芥川隆行さんの番組をよく聴いていました」と振り返る。中でも好きだったのが和田弘とマヒナスターズ。「ハワイアンをベースに歌謡曲を歌い、初期のムード歌謡をリードしたグループ。お気に入りの曲『泣きぼくろ』は都会のキラキラした風景と恋を歌っている。僕が田舎に住んでいたこともあって、モダンでしゃれた雰囲気に憧れました」
高校を卒業後は古本屋や介護の現場、歌声喫茶などで働いていたが、ある時マヒナスターズのメンバーが教えるカラオケ教室に通い始める。バンドのメンバーが大きく入れ替わるタイミングで声を掛けられ2002年にマヒナスターズに加入。和田弘が亡くなる04年までメンバーとして活動した。
その後は介護の仕事をしながら相模原市内のスナックで歌う生活が続いた。「元マヒナスターズのメンバーということで、昼カラオケで盛り上がるスナックにたくさん呼んでいただきましたが、酒浸りでひどい生活でした」と笑う。やがて都内に居を移し、ライブハウスなどで活動する中、知人の紹介で浅草の寄席「東洋館」に歌手として出演。そのステージで物まねや歌を交えたムード歌謡漫談を披露するようになり、現在の事務所に声を掛けられたという。
今は寄席やお笑いイベントのほか、複数のラジオ番組に出演。ラジオ日本では毎週、昭和歌謡を紹介する番組のパーソナリティーを務める。「ラジオはパーソナリティーの人間性がにじむところが魅力で、しゃべり手とリスナーとの絆も強い。長年収集している昭和歌謡のレコードや、往年のラジオパーソナリティーの物まねは、以前は周囲に理解されず『変わり者』と言われていたけれど、今になって仕事につながっています」と語る。

2020年2月19日には新曲「東京パラダイス」を発売した。「ラブユー東京」「さそり座の女」などを生みだした「ムード歌謡の父」とも呼ばれる故・中川博之の未発表曲。軽快なリズムと歌う前向きな雰囲気がライブでも好評だという。カップリングの「鎌倉哀愁クラブ」は自身が作曲した。「作曲も好きなので、今後は他のアーティストにも楽曲を提供していきたいですね」
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