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気になる 江戸〜昭和の婚礼衣裳をひもとく そごう美術館で「寿ぎのきもの ジャパニーズ・ウェディング」展

  • そごう美術館(横浜市西区)

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憧れる女性も多い、白無垢(むく)の花嫁姿=そごう美術館
憧れる女性も多い、白無垢(むく)の花嫁姿=そごう美術館

 婚礼のための着物には、色や模様の隅々まで祝福や幸せへの祈りがちりばめられている。江戸時代から昭和にかけての日本女性の婚礼衣装や、しつらえを紹介する展覧会「寿(ことほ)ぎのきもの ジャパニーズ・ウェディング─日本の婚礼衣裳(いしょう)─」が、そごう美術館(横浜市西区)で開催中だ。豪華絢爛(けんらん)な打掛(うちかけ)や振袖(ふりそで)、蒔絵(まきえ)を施した武家の婚礼の際の嫁入り道具など、貴重な品々や資料などから、ひもとくことができる。

 婚礼は、人生において最も華やかなシーン。衣装や装飾で花嫁を美しく彩り、うたげを演出するさまざまなものに幸せを祈る色、形、模様が取り入れられた。格が高いとされた白無垢(むく)は、古くから晴れの日の女性を祝ってきた。武家の花嫁衣装として定着したのは室町時代からとされ、現代に至るまで帯には武家の女性が身に着けた懐剣(かいけん)や筥迫(はこせこ)が伴っている。



婚礼の際、女中衆が身に着けた打掛には、松竹梅鶴亀といった、おめでたい模様がちりばめられている
婚礼の際、女中衆が身に着けた打掛には、松竹梅鶴亀といった、おめでたい模様がちりばめられている

 婚礼の際、お付きの女中衆が身に着けた打掛も多数並ぶ。松や竹、梅のほか、長寿や繁栄の象徴、鶴や亀といったおめでたい模様がちりばめられている。

 白無垢は浮世絵にも描かれた。幕末の浮世絵師、一勇斎国芳は「三定例之内 婚禮之図」(1848年)で江戸城内での輿(こし)入れの様子を描いた。盃(さかずき)を交わす儀式まで白無垢を身にまとい、その後、赤や黒地の衣装に着替えたという。

 江戸時代の後半になると、婚礼の風習は裕福な町人にも広がり、婚礼マニュアルのような書物も出版されるようになる。浮世絵師、北尾辰宣が記した「女諸礼集大全書」(1755年)には三三九度など儀式やお色直しの様子を挿絵などを入れることで分かりやすく指南した。

 明治以降、婚礼の伝統は庶民にも広がり、時代に合わせ、形を変えながら、今に受け継がれている。


江戸時代の着物辞典。白、赤、黒の3色の打掛が重ねて描かれている
江戸時代の着物辞典。白、赤、黒の3色の打掛が重ねて描かれている

長野県須坂市の田中本家博物館が所蔵する貴重な衣装も特別に展示。1915年に第9代当主の花嫁・田鶴(たづる)が着用した白、赤、黒、青の4色の打掛は見どころの一つだ。地元随一の商家のうたげは1カ月間にもわたり、花嫁は連日さまざまな着物に着替えて客をもてなしたとされる。460年余り続く京友禅の老舗「千總(ちそう)」からは、大正・昭和に使用された振袖や打掛を写真と共に紹介。明治時代以降の古式を継承した着装形式や地色が見てとれる。

 同展を監修した共立女子大学博物館の長崎巌館長は「打掛の白赤黒の3色は時間の経過を表している。白は生まれ変わり、赤は夕日、黒は夜を表し、変化を意味する。ありのままの状態を受け入れる日本人の自然観が婚礼衣装には継承されている」と解説。

 同美術館の中村麗学芸員は「前・後期を合わせこれだけの数の婚礼衣装がそろう大規模な展覧会は初めてのこと。この機会に一人でも多くの方にご覧いただきたい」と来場を呼び掛ける。

 14日まで。一般1300円ほか。問い合わせは同館、電話045(465)5515。

2021年11月10日公開 | 2021年11月9日神奈川新聞掲載

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