とれたて
ハクサイ
教えて!緒方湊くん 野菜ソムリエプロに聞くおいしい野菜&フルーツの見分け方<ハクサイ編>
- 2021年12月9日 神奈川新聞掲載
白菜とキャベツは国内生産量も多く、いろいろな料理でも使われる野菜の1つです。白菜は昔から日本にあった野菜のように思えますが、白菜もキャベツも、もともと日本原産の野菜ではなく、外国から伝わってきた野菜です。

これからの寒い季節に鍋料理をはじめ、白菜は大活躍の野菜のひとつです。栄養もカリウムが多く、むくみ解消に役立ちます。またビタミンCも多いので、美肌効果、免疫力アップに期待ができます。カリウムもビタミンも水溶性なので、鍋料理などスープも一緒にいただける料理が特におすすめです。
スーパーでは、白菜を1個というより、半分にカットされたものや4分の1にカットされたものが売れるようです。半分にカットした断面から問題です。
白菜はどの部分が甘いでしょうか?
①外側の緑の葉
②内側の黄色の葉
正解は、②内側の黄色の葉です。
白菜は外側の葉で作られた栄養が、中心の葉に送られるので、内側の葉が甘くなります。中心は成長し続けている若い部分なので、組織が柔らかく甘いのでサラダなど生食がおすすめです。
白菜を外側から順番にめくって、中心部を最後に使う人が多いと思いますが、その使用する順番を逆にしてみてください。上述したように中心部を先に使用すると、外側の葉で作られた栄養が中心部に使用されないので、おいしさが長持ちします。
同じ理由で、半分にカットされた白菜を購入する際は、断面の中心部を見て下さい。
半分にカットされている白菜も、成長を続けています。外側の葉から中心部へ養分が送られているので、時間と共に断面の中心部が膨らんできます。つまり、それは白菜の持っている栄養をどんどん使って、栄養が無くなっているとともに、カットされてから時間がたっている白菜なのです。半分にカットされた白菜を購入される際は、断面ができるだけ平らなものがおすすめです。
天日干し

「干し野菜」と聞くと、切り干し大根や干しシイタケ、ドライトマトのイメージがありますが、白菜ももちろんOKです。切り干し大根や干しシイタケのような「保存食」という状態ではなく、セミドライな状態でも十分おいしくなります。
僕は一枚ずつ剥がした白菜を大きなザルに並べ、2、3時間天日干しをしています。水分が蒸発して甘みが凝縮し、太陽の紫外線が当たることでアミノ酸が増えるので、甘みとうまみが増し味の染み込みが早くなるセミドライ白菜になります。
白菜の仲間
関東では「べか菜」とも呼ばれ「山東菜(さんとうさい/さんとうな)」という白菜の仲間があります。山東菜は結球しない白菜の仲間で、クセがなくやわらかいです。また、白菜とキャベツの交配によって育成されている白藍(はくらん)の一種の「セレタス」という野菜もあります。白菜とキャベツの交配で「セレタス」という少し面白い野菜ですが、白菜2、キャベツ1の割合の血統なので、形は白菜に似ていますが、葉は白菜よりもキャベツっぽく、白菜の甘さとキャベツの食感をあわせもち、クセが無く生食でも加熱しても何でもOKです。

野菜にはたくさんの品種があるので、少し珍しい野菜を探して食べてみるのもお薦めです。
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