気になる 実写映画「文豪ストレイドッグス BEAST」1月公開 「ヨコハマ」舞台の〝異能〟アクションバトル

架空の都市「ヨコハマ」を舞台に、芥川龍之介、中島敦、太宰治ら文豪の名を持つ登場人物たちが特殊能力で戦う人気マンガ「文豪ストレイドッグス」の実写映画「文豪ストレイドッグス BEAST」が来年1月に公開される。原作は朝霧カフカ、作画は春河35。2013年から連載が開始され、小説、アニメーションへと展開を広げてきた人気作品だ。17年からスタートした舞台版で芥川、中島を演じてきた橋本祥平=写真左=と鳥越裕貴=同右=が映画でも主演を務める。
これまで展開されてきた物語では、芥川龍之介は非合法組織「ポートマフィア」の構成員。中島敦は、国木田独歩や宮沢賢治らも所属する「武装探偵社」の社員だ。芥川は外套(がいとう)を獣や刀に変化させる「羅生門」、中島は白虎に姿を変える「月下獣」という異能力を持つ。
今回の映画は、宿敵である2人がそれぞれ逆の組織に所属していたら、という「if」の物語。妹を謎の組織に拉致され、強い怒りに突き動かされる芥川と、「ポートマフィアの白い死神(しにがみ)」として敵対者を容赦なく攻撃する中島の死闘が描かれる。
常に冷徹なキャラクターの芥川だが「武装探偵社の温かい仲間や子どもたちと触れ合い、彼が初めて感じる心の揺れを意識して演技しました」と橋本は振り返る。「妹を思う純粋な気持ちなど、芥川の多面的な魅力を見てもらえたら」

自分を武装探偵社に引き入れた太宰治に振り回されるなど、コミカルな雰囲気が持ち味の中島だが、今回の映画ではクールな表情が印象的だ。「いつもと違う敦を演じられて楽しかったです」と目を輝かせる鳥越。映画では、孤児院で虐待を受けていた幼少期を振り返るシーンもあるが「過去から逃げず、生きる意味と常に向き合っているところが好きです」とキャラクターへの思いを語る。
見どころの一つは異能力をぶつけ合う激しいアクション。スーパー戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズの映画を数多く手掛けてきた坂本浩一監督らしい、スピード感のある格闘シーンになっている。「長回しのアクションシーンでは、監督からの信頼を感じつつ緊張感を持って演じられた」という鳥越。「CGを使った、劇場版ならではの表現を楽しんでほしいです」と橋本も力を込める。
4年間にわたり舞台を共にしてきた俳優陣。和やかなカンパニーだが、ステージはそれぞれの表現をぶつけ合う刺激的な場だという。「鳥越さんはまっすぐぶつかっていけばその倍のものを返してくれる。現場も盛り上げてくれるし、役作りの面でも勉強を重ねていて尊敬しています」と語る橋本。鳥越は「澄ましたイケメンに見えるけれど、祥平は先輩方にかわいがられる才能が飛び抜けている」と笑顔で返し、息の合ったコンビネーションをうかがわせた。
2021年12月29日公開 | 2021年12月29日神奈川新聞掲載
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