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気になる 小田原三の丸ホールで開館記念の企画展「THE CONNECTIONS─さまざまな交差展-」

ギリシャ神話の怪物、「キメラ」を表現した三沢の彫刻作品。圧倒的な存在感を示す=小田原三の丸ホール
ギリシャ神話の怪物、「キメラ」を表現した三沢の彫刻作品。圧倒的な存在感を示す=小田原三の丸ホール

 昨年9月、小田原市の新たな文化拠点として誕生した小田原三の丸ホール(同市本町)で、開館を記念した企画展「THE CONNECTIONS─さまざまな交差展-」が開催中だ。市内にアトリエを構える彫刻家の三沢厚彦を中心に、写真家の浅田政志、映像作家の志村信裕、インスタレーションなどを手掛ける現代美術家の八木良太の4人が参加。古くから人と文化の“交差点”として栄えた城下町小田原の歴史などを背景に木彫、写真、映像、インスタレーションなど10作品を展示。4人の多彩な芸術表現を堪能できる。

 茅ケ崎市在住の彫刻家、三沢厚彦はクスノキの丸太からほぼ原寸大の動物を彫り出す作品で知られる。代名詞でもある動物シリーズ「Animals」は2000年から制作を開始。04年ごろから小田原市内の製材店へ通うようになり、工場の一角にアトリエを構え、創作活動に打ち込んでいる。

 会場入り口に鎮座するのは、三沢の「Animal 2020-03」。ヒョウの体にライオンのたてがみ、大きな翼とヘビの尾を併せ持つ、ギリシャ神話に登場する怪物「キメラ」を表現した作品で、圧巻の迫力だ。コロナ禍での制作で、背には疫病退散のシンボル「アマビエ」も彫られている。

 三沢は過去の展覧会や共通の友人を介して知り合った志村、八木の3人で、同展と同じタイトルが冠された「Connections Ⅰ」も共作した。



三沢、志村、八木が共作したインスタレーション「Connections Ⅰ」
三沢、志村、八木が共作したインスタレーション「Connections Ⅰ」

 「彩色していない素地の木彫に、小田原で撮影した映像や音声などを融合させ、視覚的かつ立体的な表現に挑戦した」と意気込む通り、三沢の熊の立像彫刻「Animal2022-01(仮)」と、志村が撮影したクスノキの木もれ日の映像「Dance」、真鍮(しんちゅう)で作ったセミの抜け殻とその鳴き声がイヤホンから漏れる八木の「Cicada」で構成され、ユーモラスな情景を空間に演出している。「古いものや新しいもの、人が行き交う小田原ならではの作品を発表したい」と考えたという。


小田原市内にある製材店内のアトリエで作業する三沢
小田原市内にある製材店内のアトリエで作業する三沢

 2階のギャラリー回廊では、家族写真を撮り続けている浅田の新作が並ぶ。「小田原町人写巻」と題した10作品は、外郎(ういろう)やかまぼこといった小田原の伝統や文化を継承する家族の姿や、地元で活躍する人たちの絆をユニークに活写し、絵巻物に仕立てた。浅田は「現地に何度も通い、地元の人たちと交流を深めながら撮影に臨んだ」と言葉を寄せる。


小田原にゆかりのある人たちを撮影した浅田の作品
小田原にゆかりのある人たちを撮影した浅田の作品

 キュレーターを務めた神奈川芸術文化財団の中野仁詞学芸員は「活動の場も表現方法も異なる4人の作家が集い、交差し、関係し合うことで生まれた新しい表現世界は、来館者への発信とコミュニケーションを試みる実験的な展示になっている。アートをより身近に感じ、楽しんでもらいたい」と思いを語る。

 2月2日まで。一般300円、高校生以下無料。問い合わせは同ホール、電話0465(20)4152。

2022年1月24日公開 | 2022年1月24日神奈川新聞掲載

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