気になる 人形劇団ひとみ座が、新作人形劇「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」 26~30日、川崎市アートセンター

「ひょっこりひょうたん島」などで知られる人形劇団ひとみ座(川崎市中原区)が、新作人形劇「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」を26~30日に、川崎市アートセンター(同市麻生区)で上演する。200万部以上を売り上げた大人気の児童書を初めて人形劇化。コロナ禍で子どもたちの行動にも何かと制限がかかる状況だが、「想像力は自由。銭天堂の世界を借りて楽しんで」との思いがこもる。

原作は、横浜市出身の作家・廣嶋玲子による同名小説。全国の小学生が「今まで読んだ中で1番好きな本」を投票するイベント「小学生がえらぶ! こどもの本総選挙」(NPO法人こどもの本総選挙事務局主催)で、今年の第1位になり、映画化やアニメ化もされているなど、子どもたちに大人気の作品だ。
舞台となるのは、幸運な人だけがたどりつけるという駄菓子屋「銭天堂」。店主の紅子が薦める駄菓子は、どれもその人の希望にぴったりだが、食べ方や使い方を間違えると、とんでもないことが起こるという。
制作担当の来住野(きしの)正雄(50)は「子どもたち自身が、見に行きたいと選べる題材を選んだ。コロナ禍で学校での観劇の機会は減っている。この機会に家族で楽しんでほしい」という。
16巻まで刊行されている原作はオムニバス形式。その中から「たいやきを食べたい男の子」「盗みが上手(うま)くなりたい泥棒」などの個性的な人物が登場する話を選び、紅子のライバルである「たたりめ堂のよどみ」との対決を盛り込むなどして大きな流れのあるドラマを作った。「作品の世界観を壊さないよう、丁寧に丁寧に作っている」
人形は同劇団のアトリエで制作。片手で持って操る人形がほとんどだが、紅子は全長約155センチと巨大だ。支柱をおなかで支えつつ、左手で頭を動かす。演じるのは入団して26年のベテラン蓬田雅代(50)。「紅子は人間の運命を見るのが楽しい人物。簡単には動かず、ゆったりしている」という。本番に向けて制作中の人形は、表情をこまやかに表現しようと、文楽の人形を参考に、首を動かす仕組みを取り入れるなど創意工夫を続けている。
これまで全国の学校を訪問して上演してきた経験から「コロナ禍の前より、子どもたちの喜び方が強くなっていると実感している。行動が制限される世界にあっても、心を動かすことは自由にできるんだ、心を解放していいんだよ、と伝えたい」と蓬田は話した。
公演は26・27日(1)午前10時半(2)午後2時、28日午後2時、29日(1)午後2時(2)午後7時、30日(1)午前10時半(2)午後2時開演。前売り一般2600円、4歳~小学生2千円。会場に設営する駄菓子屋で使用できるクーポン付き。問い合わせは同劇団、電話044(777)2225(平日午前10時~午後6時)。
2022年3月3日公開 | 2022年3月2日神奈川新聞掲載
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