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気になる 東京国立近代美術館「没後五〇年 鏑木清方展」 「生活」の画題に焦点

左から「浜町河岸」、「築地明石町」、「新富町」の三部作
左から「浜町河岸」、「築地明石町」、「新富町」の三部作

 長く鎌倉で暮らした近代日本画の大家・鏑木清方(1878~1972年)の画業をたどる「没後五〇年 鏑木清方展」が、東京国立近代美術館(東京都)で開かれている。清方といえば「美人画」がすぐに思い浮かぶが、市井の人々の暮らしを主題にした作品も多く手掛けている。今展では109点の日本画作品で、美人画だけではない清方の魅力に焦点を当てている。

 美人画の代名詞のような清方だが、著作の中で「自分の興味を置くところは生活にある」と記すなど、生活に高い関心を示していた。今展では、清方のそうした側面に注目。「生活をえがく」「物語をえがく」「小さくえがく」の3テーマから読み解く。


清方が高く自己評価した「遊女」
清方が高く自己評価した「遊女」

 展覧会の核になっている「築地明石町」(1927年)、「浜町河岸」(30年)、「新富町」(同)の三部作からも、生活との関わりを見ることができる。それぞれ物思う表情を浮かべる女性、踊りの稽古帰りの町娘、雨の中、傘を差して急ぐ芸者の姿が描かれ、近代の美人画を代表する作品でもある。一方で、背景に関東大震災が起きるまで残っていた火の見やぐら(浜町河岸)や、明治期に全盛を誇った劇場「新富座」(新富町)が描き込まれている。細部に説明を尽くした画面からは、当時の生活の手触りが感じられる。

 清方は18~25年までに制作し、自らの「制作控帳」に記録していた作品に、3段階の自己評価をつけていた。そのうち、出品されているのは22点。泉鏡花の小説「通夜物語」に取材した「遊女」など、最高の評価をつけた絵は3点が並ぶ。各評価の作品を見比べると、清方の思いも浮かび上がるようだ。


家族と過ごした金沢八景での日々を絵日記風に描いた「夏の生活」
家族と過ごした金沢八景での日々を絵日記風に描いた「夏の生活」

左右双幅が並ぶのは40年ぶりとなる「ためさるゝ日」
左右双幅が並ぶのは40年ぶりとなる「ためさるゝ日」

 また、今展では長崎で行われていた遊女の絵踏みを題材にした「ためさるゝ日」も展示。左右双幅の作品だが、左幅は30年ぶり、左右並んでは40年ぶりの公開になる。貴重な作品を通じ、これまでとは違った清方の表情を見ることができる。

 「没後五〇年 鏑木清方展」は5月8日まで。一般1800円ほか。月曜休館(3月28日、5月2日は開館)。会期中、一部の作品に展示替えがある。問い合わせはハローダイヤル、電話050(5541)8600。

2022年3月28日公開 | 2022年3月27日神奈川新聞掲載

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