かながわの「今」を楽しむ神奈川新聞の情報サイトイマカナ

  1. ホーム
  2. 気になる
  3. そごう美術館「再興第106回 院展」 今を生きる画家の息吹

気になる そごう美術館「再興第106回 院展」 今を生きる画家の息吹

  • そごう美術館(横浜市西区)

シェア・新聞購入ボタン

手塚雄二「月乃葉」が並ぶ一角で、月が輝く神秘的な大作に見入る来館者=そごう美術館
手塚雄二「月乃葉」が並ぶ一角で、月が輝く神秘的な大作に見入る来館者=そごう美術館

 現代日本画壇で活躍する巨匠から若手までの作品を紹介する「再興第106回 院展」が、横浜駅東口のそごう美術館で開かれている。日本画壇で中心的な役割を果たしている日本美術院の公募展で、同人作品34点と、神奈川ゆかりの画家による計84点を展示している。神奈川新聞社などの主催。

 日本美術院は横浜出身の美術思想家・岡倉天心が中心となり、横山大観や菱田春草らにより1898(明治31)年に創立。日本美術の伝統を維持しながら、新しい美術の確立を目指す精神を現在も引き継いでいる。

 会場には迫力のある大作がそろう。鎌倉市出身の手塚雄二=東京都在住=の「月乃葉」は、自宅近くの上野桜木周辺を散歩中、偶然目にした光景を基に、明るい夜空に浮かぶ月を神秘的に描いた作品。月を際立たせるため、あえて古色風にした金銀箔(はく)に夜空の余白、月の光によってできた葉の影や微妙な色の変化を加えることで生まれた奥行きなど、画家の繊細な感性と確かな技術を見て取ることができる。構想から完成まで5年を掛けたという手塚は「木々の葉は『言葉』の意味合いもある。月が輝く中、人々の声が響き渡る美しい情景が心に映り、描き留めた」と語る。


会場の様子。入り口には、内閣総理大臣賞と文部科学大臣賞を受賞した2作品が並ぶ
会場の様子。入り口には、内閣総理大臣賞と文部科学大臣賞を受賞した2作品が並ぶ

 コロナ禍にあっても、季節は変わらず巡ってくる。花の散り際の美しさを捉えた大作や、詩情豊かに一面のコスモスを描いた一枚など、移り変わる季節を題材にした作品が目を引く。

 同美術院理事長の田渕俊夫の「春爛漫(らんまん)」は、暖色系の淡く優しい色使いで近景に満開の桜、遠景には広がる山々を描いた。桜の木は厳冬を乗り越え、ようやく訪れた春の喜びを明るく、うららかな気持ちになれる画面が広がり、明るい未来を託しているようだ。


会場の様子。入り口には、内閣総理大臣賞と文部科学大臣賞を受賞した2作品が並ぶ
会場の様子。入り口には、内閣総理大臣賞と文部科学大臣賞を受賞した2作品が並ぶ

 癒やしを与えるような作品が多く、ソファに座ってじっくり鑑賞したり、友人と談笑したりして思い思いに楽しむ来館者が目立つという。同館の市塚寛子学芸員は「コロナ禍の今を生きる幅広い世代の画家による多様な題材や表現の日本画が並ぶ。作品一つ一つに画家の視点から見た世界が広がっており、鑑賞を通して新しい発見やメッセージを感じ取ってほしい」と来場を呼び掛ける。

 4月10日まで。午前10時~午後8時(最終日は同5時まで)。入館料は一般800円、高校・大学生600円、中学生以下無料。問い合わせは同館、電話045(465)5515。

2022年3月29日公開 | 2022年3月28日神奈川新聞掲載

オススメ記事⇩


東京国立近代美術館「没後五〇年 鏑木清方展」 「生活」の画題に焦点

長く鎌倉で暮らした近代日本画の大家・鏑木清方(1878~1972年)の画業をたどる「没後五〇年 鏑木清方展」が、東京...


この記事に関連するタグ

シェア、または新聞を購入する

推しまとめ

かながわの地域ニュースなら
「カナロコ」

「神奈川」の事件・事故、話題、高校野球をはじめとするスポーツなど幅広いローカルニュースを読むなら、地元新聞が運営するニュースサイト「カナロコ」がおすすめ。電子新聞が読めたり、便利なメルマガが届く有料会員もあります!

ニュースサイト「カナロコ」へ

アクセスランキング

  1. イタリアンレストラン 横浜・新山下の「TYCOON」跡地に「Re:Journal(リジャーナル)」オープン

  2. ぶらり♪街めぐり 焼き立てパン食べ放題&選べるスープ◇BRICKS STUDIO(横浜市中区)

    BRICKS STUDIO(横浜市中区)

  3. サンドイッチ sandwich and coffee me・me(相模原市南区)のサンドイッチ 毎日でも食べたい味わい

    サンドイッチアンドコーヒーミー・ミー(相模原市)

  4. コーヒー 秘密基地のようなスペシャリティーコーヒー店 みんながのみにきてくれるコーヒーやさん(川崎市高津区)

    みんながのみにきてくれるコーヒーやさん(川崎市)

  5. 季節の変わり目に朝活 海とお茶のくらし鎌倉蕾の家(鎌倉市)の朝茶漬け体験 胃も心も潤うような時が流れる

    海とお茶のくらし鎌倉蕾の家(鎌倉市)

人気タグ