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「ミロコマチコとは何者か?」テーマの展覧会 横須賀美術館

絵本原画の展示会場。壁面にせりふが飛び出し、物語の中に入り込める空間を演出している=横須賀美術館
絵本原画の展示会場。壁面にせりふが飛び出し、物語の中に入り込める空間を演出している=横須賀美術館

 絵本作家デビューから約10年。画家としても活躍するミロコマチコさんの展覧会「ミロコマチコ いきものたちはわたしのかがみ」が横須賀美術館(横須賀市鴨居)で開催中だ。「ミロコマチコとは何者か?」をテーマに、近作や新作を中心とした絵画や絵本原画、立体作品、書籍などの装画、アートディレクションに加え、鹿児島県奄美大島に移り住んでから制作した作品まで、200点以上の豊富な作品でミロコさんの魅力を紹介する。

 ミロコさんは1981年大阪府生まれ。高校生のころに見たミヒャエル・エンデの童話「モモ」の人形劇が創作活動の原点になり、23歳から絵を描き始めた。躍動感たっぷりの筆致で描いたデビュー作「オオカミがとぶひ」(2012年、イースト・プレス)で「日本絵本賞大賞」を受賞。数々の絵画、絵本や装丁などを手掛けて、国内外で高い評価を受ける一方、ライブペインティングを全国各地で行い、芸術祭へ参加するなど表現の場を広げ続けている。


奄美大島に移り住んでから描いた絵画や新作が並ぶ展示空間=横須賀美術館
奄美大島に移り住んでから描いた絵画や新作が並ぶ展示空間=横須賀美術館

 絵本作家としては、デビューから1年に1冊程度のペースで作品を発表。14年頃から動物や植物の魅力に関心を持ち、16年に初参加した山形ビエンナーレで、自然の中で生きる力に触れたことをきっかけに、その作風はさらに自由に、色彩豊かになった。同館学芸員の中村貴絵さんは「においや手触りなど五感をも刺激するものへと変容し、読み手によってさまざまな解釈ができる余白も生まれた」と解説する。

 絵本原画の展示会場では、世界最大規模の絵本原画コンクール「ブラチスラバ世界絵本原画展」受賞作の「けもののにおいがしてきたぞ」(16年、岩崎書店)や、代表作「まっくらやみのまっくろ」(17年、小学館)など3作品の原画が並ぶ。

 巨大な生命体の誕生を呪文のようなリズミカルな言葉とダイナミックな筆致と色彩で描いた「ドクルジン」(19年、亜紀書房)は、同年6月に東京から奄美大島に移住後、島の自然との触れ合いから生まれた作品だ。島での暮らしは五感が研ぎ澄まされ「見えないものの音を聞き、その気配を感じるようになった」という。ミロコさんは「自然との触れ合いで学んだ『生きる営み』を絵の中に表現した」と言葉を寄せる。


内側に入り込んで鑑賞できる立体作品=横須賀美術館
内側に入り込んで鑑賞できる立体作品=横須賀美術館

 島で制作された新作絵画はキャンバスの代わりに、島に伝わる技法の泥染めやテーチ木(シャリンバイ)で染めた布を使っている。中村学芸員は「エネルギッシュなイメージに加え、どこか霊的な存在も感じる作風へと変化している。生きものと対峙(たいじ)する、作家の『いま』の姿を作品から感じてほしい」と来場を呼び掛ける。

 10日まで。午前10時~午後6時。一般1100円、学生・65歳以上900円、高校生以下無料。問い合わせは同館、電話046(845)1211。

2022年4月5日公開 | 2022年4月5日神奈川新聞掲載

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