とれたて
トマト
教えて!野菜博士 おいしい野菜&フルーツの見分け方<トマト編>

夏のイメージが強いトマトですが、春のトマトは味が濃くうまみがたっぷり詰まっています。トマトには「リコピン」という栄養が含まれていることはよく知られています。リコピンは天然の赤い色素でトマトに多く含まれていますが、トマト以外にもスイカ、柿などにも含まれています。リコピンは抗酸化作用が強く、動脈硬化による高血圧・心筋梗塞・脳梗塞などの病気を防ぐことに期待されているだけでなく、メラニンの生成を抑制することによる美肌効果もあります。
リコピンはどこに多く含まれているでしょうか?
(1)皮の近く
(2)ゼリーの部分
(3)ヘタのまわり

正解は(1)皮の近くです。
料理で使う時も、できるだけ皮剥きをしないで、そのまま皮を使った方がリコピンをたくさん摂取することができます。ちなみにゼリーのまわりにはうま味成分のグルタミン酸や、コレステロール値を下げる働きが期待されるペクチンが多く含まれています。
リコピンを効率よく吸収する
リコピンはジュースやペースト状にすると、細胞壁が壊れリコピンをより効果的に吸収できます。また、加熱しても細胞壁が壊れやすくなるので、吸収率は高まります。リコピンは脂溶性なので、油と一緒に調理したり、牛乳と一緒に取るとさらに吸収率が高くなります。夜に取るよりも朝に取る方が吸収率は上がるので、朝食にトマトスープと牛乳を取るのが最強です。
リコピンの量
大玉トマトは大きいので、ミニトマトに比べリコピンが多く含まれているように思われがちですが、リコピンはミニトマトの方が多く含まれています。大玉トマトはピンク系トマト、ミニトマトは赤系トマトに分類されるので、赤色の色素であるリコピンはミニトマトの方が多いのです。
トマトを漢字で書くと
蕃茄(ばんか)、唐柿(とうし)、赤茄子(なす)などの表記の仕方があります。蕃は、中国から見て西の外国を意味し、西側の国から(シルクロードを経て)やってきたナスという意味です。唐柿はイチジクも同じ和名ですが、イチジクの場合は「とうがき」と読みます。トマトは日本にはヨーロッパから中国を経て長崎へと持ち込まれました。当時は薬用、観賞用の植物と考えられていました。トマトが日本で食用とされるようになったのは明治時代以降です。
2022年4月8日公開 | 2022年4月7日神奈川新聞掲載
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