気になる
オーケストラ
東響がコンサート「0歳からのオーケストラ」 29日、ミューザ川崎シンフォニーホール
- ミューザ川崎シンフォニーホール

「子どもが小さくて、クラシックコンサートに行けない」。そんな声に応えようと2007年から始まった東京交響楽団(東響)のコンサート「0歳からのオーケストラ」が29日、ミューザ川崎シンフォニーホール(川崎市幸区)で開催される。昨年11月に女児を出産し、久しぶりに舞台に復帰した同楽団の首席ハープ奏者景山梨乃(32)は「みんな同じ0歳なので、心配せずに来てほしい。私の娘も夫と一緒に客席で聴く予定です」と笑顔で来場を呼びかけた。
同コンサートは0歳から入場可能。乳幼児連れの保護者が安心して来場できるように、通常のコンサートホールには常設されていないベビーカー預かり所やおむつ交換室、授乳室が用意されている。
休憩なしの70分間に、ベートーベンの「プロメテウスの創造物」序曲や、グリーグの「ホルベアの時代より」から「プレリュード」、ベルリオーズ「ローマの謝肉祭」といった本格的なクラシックの名曲を楽しめる。動物のマスクをかぶったまま演奏するズーラシアンブラスと、東響によるアンサンブルというスペシャルな演奏も披露される。
景山は「全部違うタイプの曲で、派手な曲や体を揺らして楽しむ曲、じっと聴き入る曲もある。お気に入りの曲を見つけて、家に帰ったらCDやユーチューブの動画などで繰り返し聴いてほしい」と話す。
産休、育休を経て、半年ぶりにこの4月から演奏活動に戻ってきた。練習時間が思うように取れない悩みはあるが、「もともと練習嫌いで、量より質のタイプ。子どもと過ごす時間も大切にして、今だけの経験を楽しみたい」とほほ笑む。
「育休中は子どもと家で2人きりが多く、どうしても気が張って休まらなかった。楽器を弾くことがこんなにリフレッシュになるとは」と演奏にも新たな気持ちで取り組んでいる。

音楽家の両親の下で8歳からハープを始め、自然とプロの演奏家への道に進んだ。フランスとドイツに留学経験があり、「向こうでは博物館や図書館で行われる、子どもOKのコンサートが多かった。日本のようにきちんと椅子を並べたりせず、床に座るなど気軽な雰囲気。ここ数年は、日本でも0歳から参加できる演奏会が増えていて、盛り上がりを感じる」という。
東京のサントリーホールで行われた同様のコンサートに娘を連れて行ったところ、「音よりも人が多い周りの雰囲気に驚いていた感じだった」という。「もし、不安を感じている親御さんがいたら、怖がらずに来てほしいですね。ミューザ川崎の客席は意外とゆったりしているし、感染対策も取られているので」
東響の「0歳からのオーケストラ」には、楽団員が自身の子どもを連れて来ることも多いという。娘に客席から見つめられることになる当日は「集中できなくなりそうなので、客席はあまり見ないように我慢します」と笑った。
午前11時と午後2時半開演の1日2回公演。全席指定で一般3500円、中学生以下1500円。2歳以下で保護者の膝上に座る場合は無料。問い合わせはTOKYO SYMPHONYチケットセンター、電話044(520)1511(平日午前11時~午後4時)。
2022年4月18日公開 | 2022年4月15日神奈川新聞掲載
オススメ記事⇩
この記事に関連するタグ
シェア、または新聞を購入する
- LINE
- URLコピー
- 掲載日付の
新聞を買う
推しまとめ
かながわの地域ニュースなら
「カナロコ」

「神奈川」の事件・事故、話題、高校野球をはじめとするスポーツなど幅広いローカルニュースを読むなら、地元新聞が運営するニュースサイト「カナロコ」がおすすめ。電子新聞が読めたり、便利なメルマガが届く有料会員もあります!