とれたて
タケノコ
教えて!野菜博士 おいしい野菜&フルーツの見分け方<タケノコ編>

春の訪れを感じる食材の中で、定番の野菜といえば「タケノコ」ですね。ひときわ旬を感じるタケノコは、たけのこご飯、煮物、炒め物、揚げ物などさまざまな料理で楽しむことができます。
タケノコの成長はとても早く、漢字の「筍」という字は、竹かんむりに「旬(じゅん)」です。この「旬」は上旬・中旬・下旬の旬で、10日間のことを意味します。つまりタケノコは、10日間で竹になってしまうことを意味しているといわれています。
今日は今が旬、そして味わうことが出来るシーズンがとても短い「タケノコ」についてお話しします。
[Q]
お店に並んでいるタケノコの先端を見ると、穂先の色が異なります。
おすすめはどちらのタケノコでしょう?
(1)穂先が黄色っぽいもの (2)穂先が濃い緑色のもの
[A]
おすすめは(1)穂先が黄色っぽいものです。
タケノコは地面から出てくると、太陽の光に当たり(光合成をするので)穂先が緑色になり、アクが強くなります。
逆に土の中にある時は、光合成をしていないので穂先は黄色っぽい状態で、みずみずしさがあります。また地面から出ている場合、穂先が緑色になるだけでなく皮の色も濃くなっているので、見分けやすいですね。
その他、根元の切り口が白くみずみずしいものを選ぶのもおすすめです。収穫して時間が経つと、タケノコの水分が抜け、切り口がアクの影響で茶色くなってきます。根元のぶつぶつ(赤い斑点)が小さくて少ないものほど肉質がやわらかい傾向があります。
タケノコは90%が水分です。持ったときに手にずしりと重みを感じるものがおすすめです。土が付いている場合は、まだ湿っているようなものが新鮮な目安です。鮮度が落ちるとアクが強くなるので、購入後はできるだけ早めにゆでます。柔らかい穂先は大きめに切り、根元になるほど硬くなるので薄く切るなど、用途により切り方を変えるとよいです。
また、タケノコの切り口に見かける白い粉のようなものは、チロシンというアミノ酸の一種です。ゆでた時に溶け出したものが、冷えて固まったものなので食べても害はありません。チロシンは代謝をアップさせて細胞の老化を抑えるほか、神経伝達物質のドーパミンやノルアドレナリンなどの原料となり、脳を活性化させる働きがあります。
春の出会いものとして、「若竹煮」がおすすめ料理です。春はタケノコだけでなく、わかめも旬になります。
現在ではほとんどが養殖ものですが、天然のわかめは秋に芽吹き、冬に成長し、2月から5月に新わかめが市場に出回ります。養殖ものに比べ天然ものは肉厚で弾力があり柔らかいのにシャキシャキとした食感もあり、風味が豊かなのでこの時期は天然もので若竹煮をお召し上がりください。
2022年4月22日公開 | 2022年4月21日神奈川新聞掲載
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