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平塚市在住の作曲家でピアニストの加藤昌則 「ひらしん平塚文化芸術ホール」の音楽アンバサダーに

平塚市の新たな文化芸術拠点として今年3月にオープンした「ひらしん平塚文化芸術ホール」(同市見附町)の音楽アンバサダーに、同市在住の作曲家でピアニストの加藤昌則が就任した。「クラシック音楽を縁遠く感じている一般の方たちに、クラシックの面白さを伝えていきたい」と抱負を語った。
同市で生まれ、3歳前に横浜市へ転居。だが、「祖父母がいたので、毎週末のように平塚に通っていた」そうで、ここ20年ほどは自身も再び同市で暮らす。
「平塚は海も山も近く、自分を解放しやすい。文化的な環境もある程度整っており、家族で移住する人が増えている。このタイミングでホールができたことはよかった」とほほ笑む。
今後5年間、音楽アンバサダーとして活動する。1年目はホールの存在を広く知ってもらい、2、3年目は多角的な魅力を発信し、観客と一緒になってホールを育てたいという。4、5年目には県内外から一目置かれる存在を目指す、との計画を立てた。
まずはクラシック音楽の楽しさを、分かりやすく伝えていきたいと話す。17日に就任式を兼ねて行われたオープンライブでは、モーツァルトの「トルコ行進曲」にまつわる創作秘話をピアノの生演奏とともに披露し、観客を魅了した。

「みんなが思っているのとは違う作曲家の意外なエピソードを紹介すると、身近に感じられる。クラシック音楽も聴いて楽しむために作られたので、楽しんでほしい」
29日に行うコンサート「初めての音楽人(ピープル)へ 天才作曲家だって人(ピープル)だ!」でも、シューマンやベートーベン、サンサーンスらを取り上げて、人となりや作曲の裏側を楽しく紹介する。演奏は加藤のピアノと、成田達輝(たつき)のバイオリン、笹沼樹(たつき)のチェロによるピアノトリオだ。「成田さんは個性的なバイオリニスト。笹沼さんは斎藤秀雄メモリアル基金賞を受賞したばかり。どちらも乗りに乗っている演奏家」と評する。
12月の第2弾「小粋な音楽人へ 弦楽四重奏!」では、バイオリンに三浦文彰、水谷晃、ビオラに川本嘉子、チェロに佐藤晴真と今をときめく一流演奏家がそろう。2023年2月には第3弾「素敵(すてき)な音楽人へ 東京都交響楽団」で、シューマンの交響曲第3番「ライン」を取り上げる。
「日常の中に音楽があるのは、金銭的という意味とは異なる豊かさがある。いろいろな人が生活している中で、クラシック音楽に触れようと思ったら、その機会があることが大切。そうした機会を発信していくことで、『このホールが建ってよかった』と実証していかなければならない」と気を引き締めている。
「初めての音楽人へ 天才作曲家だって人だ!」は29日午後2時開演。全席指定で一般2500円、22歳以下千円。問い合わせは同ホール、電話0463(79)9907。
2022年4月29日公開 | 2022年4月27日神奈川新聞掲載
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