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シネマ散歩
映画【ワン・セカンド 永遠の24フレーム】チャン監督の映画愛

20日からTOHOシネマズ川崎などで上映。
2022年北京五輪の開・閉会式の総監督を務めたことも記憶に新しい、チャン・イーモウ監督の最新作。1本のフィルムを巡り、とある村の映画館で繰り広げられる人間ドラマを描く。文化大革命当時、映画への憧れを抱きながら工場で働いていた監督自身の実体験がモチーフになっている。
1969年、文化大革命の混乱の中で強制労働所送りになった男(チャン・イー=写真左)。妻と離婚し、最愛の娘と会うこともできずつらい日々を過ごしていたが、22号というニュース映画に娘の姿が1秒間映っていると聞き、強制労働所を脱出する。
映画が上映される村に向かう途中、運搬中のフィルムを盗んだ少女・リウ(リウ・ハオツン=同右)の姿を目撃した男は村で彼女を捕まえる。リウが盗んだフィルムは映写技師のファン(ファン・ウェイ)の手元に戻るが、その他のフィルムは運搬係のミスで道にばらまかれ、上映不可能なほどに汚れてしまう。その中には22号のニュース映画のフィルムも含まれていた。
シンプルな物語ながら、男やリウ、ファンが大切な人を思う気持ちが丁寧に描かれ、心が温かくなる。チャン監督ならではの映像美も見どころの一つ。壮大な砂漠の景色や、リウが最後に見せる姿には、息をのむような美しさがある。人々がスクリーンの映像に熱狂する姿に、映画館で見る映画の価値を再認識させられた。
監督・脚本/チャン・イーモウ
製作/中国、1時間43分
2022年5月20日公開 | 2022年5月20日神奈川新聞掲載
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