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気になる 文化部員の体験記
誰でも書店主!シェア型本屋さんに挑戦 人との出会いが生まれる楽しさも魅力

テーマ特化型の棚も。ウサギの本を集めた「本屋うさぎ堂」は全国のウサギファンが集まる人気の棚
テーマ特化型の棚も。ウサギの本を集めた「本屋うさぎ堂」は全国のウサギファンが集まる人気の棚

 棚の1区画を借りて好きな本を並べ、誰でも書店主になれる「シェア型本屋」が県内にも増えている。その魅力は本だけでなく、人との出会いが生まれる楽しさだ。神奈川新聞社文化部でも6月から「LOCAL BOOK STORE kita.」(横浜市中区)で「文化亭」を開店。そこには情熱あるオーナーたちが集っていた。

 同店は2021年6月、コワーキングスペース「マスマス」の改装に合わせてオープン。月額制で、現在は約50人のオーナーが参加する。同スペースを運営するマスマススクエア代表取締役の森川正信さんは「挑戦する人が集まるこの場所を街に開き、本でつながるコミュニティーができればと考えた」と語る。

 38センチ四方の棚に並ぶ本は、自然と棚主の自己表現になる。文化亭の棚には芸能や美術、文学などさまざまな分野の取材を行う記者たちが業務やプライベートで読んだ本を詰め込んだ。「収益は期待しないで下さい」と森川さんに何度も言われていたが、やはり本が売れるとうれしく、フリマアプリや古書店での売買とは違う高揚感がある。


森川さん(左)とスタッフの宇野晃平さん。LOCAL BOOK STORE kita.は横浜市中区北仲通3の33。平日午前11時~午後6時の営業だがイベント時は土日も営業。オーナーは随時募集中で初期費用1万2千円、月額4千円。電話045(274)8700
森川さん(左)とスタッフの宇野晃平さん。LOCAL BOOK STORE kita.は横浜市中区北仲通3の33。平日午前11時~午後6時の営業だがイベント時は土日も営業。オーナーは随時募集中で初期費用1万2千円、月額4千円。電話045(274)8700

 同店にはオーナーが店番に立つ「1日店長制度」があり、お客さんと直接会話ができるのも魅力だ。「本をただ売るのではなく、誰かに手渡したかった」と話す豊田菜の子さん(23)は「nanohon」という屋号で昨年末から参加。「選書をする作業が楽しい」と笑顔を見せる。


「1日店長」を務める記者(右)。これまでに売れたのは落語家の柳家喬太郎師匠やブックコーディネーター・内沼晋太郎さんの著書、子育て中の記者が選んだ絵本など
「1日店長」を務める記者(右)。これまでに売れたのは落語家の柳家喬太郎師匠やブックコーディネーター・内沼晋太郎さんの著書、子育て中の記者が選んだ絵本など

 将来、書店を開業するための勉強を目的とするオーナーも。移動本屋を夢見る「ごきげん堂」の石川小夏さん(25)の棚は、題名がわからないように包装し紹介文をつけた“目隠し本”が好評だ。


「ゴキゲン堂」では楽しい気分になれる本を販売。「目隠し本」はプレゼントのような包装も人気だ
「ゴキゲン堂」では楽しい気分になれる本を販売。「目隠し本」はプレゼントのような包装も人気だ

1日店長を務めるオーナーは書籍以外の販売も可能。鳥取県をPRする「鳥取堂」の名和佳夫さん(中央)は鳥取スイカの試食会を開催
1日店長を務めるオーナーは書籍以外の販売も可能。鳥取県をPRする「鳥取堂」の名和佳夫さん(中央)は鳥取スイカの試食会を開催

「鳥取堂」では鳥取に関する幅広いジャンルの本を販売
「鳥取堂」では鳥取に関する幅広いジャンルの本を販売

 近隣企業で働くオーナーが期待するのは人脈の広がり。会社勤めの傍ら「山サイト会議」という屋号でビジネスコンサルティングを行う小埜達哉さん(62)は経営に関する本を並べ事業をPR。食べ物がテーマの棚「たべものBOOKS」の大谷光久さん(49)も「リアルの場があると同じ趣味の人とつながれる。関内周辺のおいしいものを食べるツアーなども企画したい」と声をはずませる。


もともと山登りが好きだった小埜さんは、環境問題や経営に関する本を販売している
もともと山登りが好きだった小埜さんは、環境問題や経営に関する本を販売している

「たべものBOOKS」ではカツカレーのフリーペーパーを展開中
「たべものBOOKS」ではカツカレーのフリーペーパーを展開中

 「デジタル化が進む今だからこそ、アナログの出会いの価値は高い」と語る森川さん。「本屋は消費をしなくても滞在ができる貴重な業態。気軽に立ち寄れて、面白いつながりが生まれる場所にできれば」と思いを込める。

LOCAL BOOK STORE kita.7月の予定

15日=「文化亭」1日店長、神奈川フィルハーモニー管弦楽団ホルン奏者の熊井優さんが選んだ本を販売。午前10~11時に熊井さんが来店予定

24日=パンとコーヒーと本のマルシェ

31日=「文化亭」1日店長・アラビア書道体験教室(事前申し込み制、詳細は日本アラビア書道協会公式ホームページ https://www.jaca2006.org/

県内の主なシェア型本屋

◇話せるシェア本屋とまり木(茅ケ崎市)

◇つきやまBooks Arts & Crafts(大磯町)

◇シェア型本屋&カフェBOOKY(藤沢市)

◇本喫茶わかば(箱根町)

2022年7月12日公開 | 2022年7月10日神奈川新聞掲載

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