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舞台「さいごの1つ前」 8月、KAAT神奈川芸術劇場 天国と地獄の分かれ道で、なくした記憶を探すおしばい

「舞台に遊び場を作る感覚で創作している」と話す松井周(左)と白石加代子=横浜市中区(撮影・立石祐志)
「舞台に遊び場を作る感覚で創作している」と話す松井周(左)と白石加代子=横浜市中区(撮影・立石祐志)

 天国と地獄の間を漂う登場人物が自らの記憶と向き合う舞台「さいごの1つ前」(作・演出/松井周)が8月、KAAT神奈川芸術劇場(横浜市中区)で上演される。同館恒例の「キッズ・プログラム」の一環。異空間に触れながら想像を広げる楽しみを子どもたちに感じ取ってもらう。

 天国と地獄の間に迷い込んだ人間たち。いずれも地獄行きの乗り物に乗っている。天国に行くにはその人にとっての「最高の思い出」が必要らしい。物忘れが激しい主人公、天国に行って当然と疑わない青年、地獄に行きたいと言い張る少女。おのおのが在りし日の記憶をたぐり寄せていく。

 「子どもの時に不思議で仕方なかったのが、死んだら人はどうなるのかということだった」。幼少期の疑問が、本作の出発点にあったと松井。特に想像をかき立てる地獄を描くことに関心があったという。

 主人公を演じるのは白石加代子。少女や一風変わった異界の役など幅広い演技で観客を引き込むベテラン俳優だ。子ども向け作品に出演できる喜びを明かしつつ「自分の能天気なところを生かして娯楽作品に仕上げたい」とちゃめっ気たっぷりに語る。



 地獄のイメージが刷新されたり、登場人物が自分なりの宇宙を夢見たり。白石、松井共に、観客を独特の世界にいざなう本作を通じて演劇の魅力に触れてほしいと口をそろえる。

 小学校低学年のころ、学校で劇団が上演した芝居に魅せられた体験が白石の原点。「生きた人間が目の前で演じてくれたことで芝居に目覚めた。体を使って舞台に立つことに強い憧れを持ったんです」。生身の人間がステージに立つぜいたくさを身をもって味わったといい、本作でも子どもたちにそんな体験をしてほしいと期待する。

 松井は「ありもしない世界を作ることを演劇は許してくれる」。自身の子ども時代を振り返りながら「人はうそをつくと怒られるけど、演劇はうその世界を信じていい。自由でいいんだ、ということを劇空間の中で感じてほしい」。身を置く場所が学校に限られ、窮屈さを覚えているかもしれない子どもたちも、劇場の自由な空気の中で楽になってもらいたいと話す。

 「記憶」や「思い出」が持つ意味。生と死とは─。軽妙なせりふ回しの中に深い問いがちりばめられた作品でもあるが「楽な気持ちで見てほしい」と松井は言う。天国と地獄の間というあいまいな世界を俳優がその場で創り上げるさまが見どころ。「想像の面白さを感じながら、何年後かにふと思い出しては新しい見え方がする。そんな記憶に残る作品になるとうれしいです」

 8月10~21日(12、17日休演)。出演は白石のほかに久保井研、薬丸翔、湯川ひな。料金は大人4500円、4歳から高校生まで千円。問い合わせはチケットかながわ電話(0570)015415。

2022年29日公開 | 2022年7月29日神奈川新聞掲載

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