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弦楽四重奏
弦楽四重奏団「クロノス・クァルテット」19年ぶり来日 宇宙と人類への賛歌を込めた大曲「サン・リングズ」披露 10月1日、県立音楽堂

1973年に結成され、米サンフランシスコを拠点に全世界で演奏活動を続けている弦楽四重奏団「クロノス・クァルテット」が、19年ぶりに来日する。横浜市西区の県立音楽堂で10月1日、宇宙と人類への賛歌を込めた大曲「サン・リングズ」を日本初演として披露する。
メンバーの1人で、芸術監督も務めるバイオリニストのデイビッド・ハリントンは「日本の聴衆の質の高さは特別だ。コロナで世界が激変し、少しずつ人々の生活が戻りつつある中での来日には、特別な思いがある」と胸中を明かした。
同四重奏団は約50年にわたって、現代音楽の紹介を柱にレパートリーの拡充を図り、作曲家への新曲委嘱を積極的に行ってきた。

「サン・リングズ」は、米航空宇宙局(NASA)のボイジャー計画25周年記念コンサートのために、同四重奏団から委嘱を受けた作曲家テリー・ライリーが2002年に作曲した。全10楽章から成り、演奏時間は約90分の大曲で、全曲が演奏されるのはまれだ。
副題に「弦楽四重奏と合唱、録音された宇宙空間のサウンドのための」とある通り、ライブで演奏される弦楽と合唱に、NASAが採集した、電磁波によって発生した宇宙空間の音と、宇宙の映像が融合されるという壮大な作品だ。
「初めて音を聴いた時、ここまでのことができるんだと驚いた。人間の持つ可能性の素晴らしさを感じさせる」とハリントン。「単なる頭の上にある宇宙というだけではなく、宇宙が私たちに働きかけるような」感覚に陥ると話す。
2曲に合唱が入り、岩本達明の指揮で、横浜とゆかりの深い若手合唱団「やえ山組」が共演する。同合唱団は2年前、同四重奏団の来日公演で共演するはずだったが、コロナ禍で公演が中止に。別々に録音、録画した映像によるコラボ作品を仕上げた経緯がある。
今回、やっと同じ舞台での演奏が実現することになり、ハリントンは「大勢の歌い手との共演に、わくわくする思い。これからのリハーサルでどんなものになるのか、楽しみで仕方ない」と期待している。さらに近年、日本に定住したライリーが「お客さんの中に紛れて、聴きに来るかもしれない」と笑顔を見せた。
10月1日午後5時開演。全席指定S席6千円ほか。問い合わせはチケットかながわ電話(0570)015415(午前10時~午後6時)。
2022年8月3日公開 | 2022年8月3日神奈川新聞掲載
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