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鮮烈なラストに心揺さぶる衝撃作 映画「ぜんぶ、ボクのせい」


 横浜シネマリンで上映中、9月10日からあつぎのえいがかんkikiで上映。

 母の不在に苦しむ少年の成長を描きつつ、社会が抱える不安を反映させ、一人一人に問いかける重い作品だ。

 川崎市の登戸にある児童養護施設で暮らす中学生の優太(白鳥晴都(はると)=写真左)。母の梨花(松本まりか)が千葉にいると知って施設を飛び出すが、訪ねていった梨花は、男にすがる自堕落な生活を送っていた。

 施設に連絡し、優太を帰そうとする梨花。「ごめんね」と言いながら、息子の胸を冷たく押しやる梨花の広げた手は、残酷な描写だ。

 逃げ出した優太は、壊れた軽トラックの荷台で寝泊まりする坂本(オダギリジョー=同右)と出会う。坂本も施設育ちで、母親に虐待された過去を持ち、優太とは通じ合うものがあった。優太は坂本を「おっちゃん」と呼び、父親のように慕ってゆく。

 同じように坂本を慕う女子高生の詩織(川島鈴遥)も度々顔を出し、3人の間には穏やかな空気が流れる。

 だが、世間にとって坂本や優太は不審者であり、やがて事件が起こる─。

 盗んだ自転車などを、買い取り業者に持ち込んでは日銭を稼ぐ坂本を、オダギリがひょうひょうと演じている。

 松本監督は、全てを受け入れた後の希望を描きたかったというが、絶望の淵で、相手を突き刺すような鋭い目をした優太に救いは訪れるのだろうか、と考えさせられた。心におりがたまっていくようだ。

監督・脚本/松本優作
製作/日本、2時間1分

2022年8月12日公開 | 2022年8月12日神奈川新聞掲載

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