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前衛的なオペラ「浜辺のアインシュタイン」 10月、県民ホールで上演

平原慎太郎(左)とキハラ良尚=県民ホール
平原慎太郎(左)とキハラ良尚=県民ホール

 せりふはあるが、明確な物語はなく、歌詞は数字とドレミだけ。何度も繰り返される音楽とダンス─。4時間にわたる前衛的なオペラ「浜辺のアインシュタイン」が10月、県民ホール(横浜市中区)で上演される。音楽、ダンス、演劇とジャンルを横断し、各界の俊英が集結する。

 同作は、一定の短い音型を反復する「ミニマル・ミュージック」の巨匠フィリップ・グラスと、演出家ロバート・ウィルソンが、科学者アインシュタインを詩的に解釈しようと試みたオペラで、1976年にフランスで初演された。神奈川芸術文化財団の芸術総監督・一柳慧は、当時滞在していたドイツでその評判を耳にし、パリ公演に駆けつけたという。

 今回の公演は日本での30年ぶりの上演となり、2025年に開館50周年を迎える同ホールによる、記念のオペラシリーズ第1弾となる。

 同ホールと県立音楽堂の芸術参与を務める沼野雄司は、50周年に向けて新しい企画を模索する中で同作に注目。一部の繰り返しを省略したオリジナル版で、新制作として取り組む。


ポスターなどに使われるイメージイラストは漫画家・映画監督の大友克洋による
ポスターなどに使われるイメージイラストは漫画家・映画監督の大友克洋による

 演出、振り付けに当たる平原慎太郎は「音楽と身体が拮抗(きっこう)しているような舞台をお願いしたい、と沼野さんからオファーがあった」という。制作当時の時代背景を調べる中で、「ベトナム戦争があり、女性の権利獲得運動があり、秩序と混沌(こんとん)が繰り返されているのは今も同じ。今の日本に合っているのではないか」と感じたという。「全く違うものになるが、オマージュはある。物語はないが、見せたい風景はある」と明かした。

 指揮は、東京芸大音楽学部付属音楽高校ピアノ科在学中に小澤征爾に師事し、国内外で活躍する新鋭、キハラ良尚。「通常のオペラにある場面の詳細などが一切なく、制作側に委ねられている部分が多い。その分自由だが、何を伝えていくかを作り上げるのが難しい。観客の皆さんにも想像する自由の多い作品で、その幅が広がるような舞台を届けたい」と意気込む。

 繰り返される音楽については「ただの繰り返しではなく、包まれるというか、音の洪水が次々にやってくる印象」だと解説した。

 翻訳家でエッセイストとしても活躍中の鴻巣友季子が翻訳を担当する。沼野は「意味のあるところとないところのはざまを、うまく訳してくれるのではないか」と期待を口にした。

 主な出演者は俳優の松雪泰子、田中要次、ダンサーの中村祥子、バイオリニストの辻彩奈ら。

 公演は10月8、9日。午後1時半開演。全席指定でS席1万円ほか。問い合わせはチケットかながわ電話(0570)015415(午前10時~午後6時)。

2022年8月17日公開 | 2022年8月17日神奈川新聞掲載

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