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特別展「運慶 鎌倉幕府と三浦一族」 横須賀美術館

平安末期から鎌倉初期に活躍した仏師、運慶が残した仏像などを集めた特別展「運慶 鎌倉幕府と三浦一族」が、横須賀美術館(横須賀市鴨居)で開かれている。同市内に残る運慶やその一門の運慶工房が手がけたとされる仏像をはじめ、鎌倉幕府の御家人、三浦一族ゆかりの仏像や関連の書跡など約50の文化財を展示し、三浦半島の歴史と文化に新たな光を当てる。
運慶は奈良・興福寺や東大寺での造仏が広く知られる一方、鎌倉時代の東国(関東地方)での仏教彫刻の展開を考えるうえでも欠かせない存在。鎌倉幕府と密接に結びつき、北条氏からの信頼を背景に、東国での活躍の場を得た。
三浦半島の西海岸に位置する浄楽寺(同市芦名)の「毘沙門天立像」と「不動明王立像」の2躯(く)は、いずれも国指定重要文化財で鎌倉幕府の御家人、和田義盛夫妻が発願し、同寺に残る「阿弥陀三尊像」とあわせ、運慶と運慶工房が制作したとされる。壇ノ浦の戦いで平氏が滅亡し、源頼朝による政権が確立し始めた1189(文治5)年の作品だ。この2躯を含め、三浦一族ゆかりの満願寺(同市岩戸)に伝わる「観音菩薩(ぼさつ)立像」や「地蔵菩薩立像」など、市内8寺院の仏像彫刻が多数並ぶ。
同展は県立金沢文庫(横浜市金沢区)との共同開催で、横須賀は三浦一族に、金沢文庫は鎌倉幕府に重点を置いた展示内容となっている。冨田康子学芸員は「今年は運慶の800年遠忌。横須賀に由縁がある運慶の仏像が一堂に会するのは初めて。この機会にたくさんの人に足を運んでもらい、運慶と鎌倉幕府や三浦一族との関わりについて知ってほしい」と来場を呼びかける。
9月4日まで。一般千円ほか。10月7日から11月27日まで金沢文庫に巡回する。問い合わせは横須賀美術館電話046(845)1211。
2022年8月22日公開 | 2022年8月22日神奈川新聞掲載
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