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英国代表するチェリスト、スティーブン・イッサーリスがリサイタル 9月17日、県立音楽堂

英国を代表するチェリスト、スティーブン・イッサーリスのリサイタルが9月17日、県立音楽堂(横浜市西区)で行われる。昨年予定されていたコンサートがコロナ禍で中止となっており、「ようやく戻ってくることができ、とてもうれしい」とイッサーリス本人も楽しみな様子。ロシア音楽を中心に、祖父が作曲したバラードも披露する。
ピアニストのコニー・シーと共に、ショスタコービッチ、プロコフィエフ、ラフマニノフのそれぞれのチェロソナタを演奏する。
ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、こうしたロシア音楽の演奏をためらう音楽家もいるが、イッサーリスは「1人の現代の狂人とそのいびつな側近たちの行動のために、これらの作曲家を責めるのは、ばかげている」という。
「これらのロシア人の作曲家による作品は偉大な音楽であり、世界各地どこででも演奏されるに値するものです。それを避けることには何のメリットも、意味もないでしょう」
実はプロコフィエフはウクライナの出身で、イッサーリスの父も同様だ。同国の悲惨な状況を巡る音楽家の役割について、「残念ながら、それほど多くはない」と話す。「難民の方々を受け入れるためにいささかの活動をしたり、資金集めのためにコンサートを開いたりすることはできます」としながらも、「それ以上にできることはほとんどないのです。とてももどかしい」と嘆く。
ピアニストで、作曲家でもあった祖父のユリウス・イッセルリス(イッサーリス)はロシア生まれ。同門下であったラフマニノフがチェロソナタを献呈したチェリストのアナトリー・ブランドゥコフと一緒に同曲を演奏して、ロシアを巡業したという。
そのチェロソナタを「とても美しく、感動的で、見事な構成で、あらゆる面で満足させてくれる。まさに傑作」と評する。
ユリウスはソ連(当時)の文化大使として海外へ派遣され、そのまま戻らなかった。「祖父が亡くなったのは私が9歳の時。私と姉たちは祖父をとても慕っていたことが記憶にあります」。ユリウスが作曲した「チェロとピアノのためのバラード」はロマンチックで美しい曲だという。
「音楽家というものは毎日、常に新しいことを考えなければならないもの」というイッサーリス。ロックダウン中は、バッハの組曲についての執筆活動を中心に、新しいレパートリーを研究したり、英国のチェロ・ソロ曲のCDリリースのために準備をしたり、と忙しく過ごしていたという。
音楽一家に生まれ、10歳で始めたチェロ。その魅力を「その音です。どの楽器よりも断然好きです。チェロという楽器がまとっている感性も好きです」と語った。
午後3時開演。S席6千円ほか。問い合わせはチケットかながわ電話(0570)015415(午前10時~午後6時)。
2022年8月31日公開 | 2022年8月31日神奈川新聞掲載
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