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舞台「スカパン」全国4都市で上演 神奈川公演10月26~30日、KAATで開催

舞台「スカパン」での共演を喜ぶ串田和美(左)と小日向文世(撮影・花輪久)
舞台「スカパン」での共演を喜ぶ串田和美(左)と小日向文世(撮影・花輪久)

 フランスの劇作家モリエールの喜劇「スカパンの悪巧み」(1671年)を串田和美(80)が潤色、演出する舞台「スカパン」がこの秋、横浜を含む全国4都市で上演される。かつて主宰した劇団「オンシアター自由劇場」で共に活動した小日向文世も出演。同志である2人に、作品への思いや共演の喜びを聞いた。

 1994年に同劇団で初演し、国内外で再演を重ねてきた串田にとってライフワークともいえる作品。主役のスカパンを演じ続ける串田は「気が付けばライフワークになっていた。役と一緒に年を取っている感覚です」と話す。

 舞台はイタリアの港町ナポリ。従僕であるスカパンは仲間のシルベストルと共に、それぞれの主人であるレアンドルとオクターブに仕えている。恋人を巡りトラブルが起きたレアンドルたちは、悪知恵の働くスカパンに助けを求める。2人の父親たちから金を巻き上げようと画策するスカパンは、言葉巧みに彼らをだましていく。

 どたばた劇が観客の笑いを誘うが、串田は戯曲からにじみ出るある種の悲哀にも着目してきた。「モリエールは笑わせることを書いているはずなんだけど、彼の作品はどこかもの悲しさを感じさせる。おかしさの裏にある悲しみを知っている人だと思うんです」

 従僕としてこき使われるスカパンの、狡猾(こうかつ)に生きざるを得ない境遇にも思いをはせる。「搾取の構造に身を置く中で明るく振る舞い、ずる賢く生き抜こうとする人の話なんだよね。そのエネルギーに引かれているのかなあと感じます」

 オンシアター自由劇場に19年間在籍した小日向は「スカパン」の初演時にシルベストルを演じた。およそ30年ぶり、3回目となる同作への出演に「串田さんとまた共演できるのが何よりもうれしい。23歳から42歳までいたあの『自由劇場』時代に戻れる」と声を弾ませる。

 どんな役も自由自在に演じ分ける芝居で見る者を魅了する小日向だが「俳優としての土台は串田さんにつくってもらった」と迷いなく言う。「人はみっともなかったり、醜かったりするけど、それでも愛すべき存在。それを内側からえぐり出して面白く見せていくことを劇団で学びました」

 今回演じるレアンドルの父ジェロントも、一筋縄ではいかない役どころ。「けちでおかしさがあるんだけど、ある人にとってはこの野郎と思う憎たらしさもある。人間を多面的に作り上げる作業はすごく楽しいですね」

 「切実さが醸すおかしさ」を表現したいと口をそろえる2人。「80歳の串田さんが演じるスカパンは絶対に見た方がいいです」と小日向が強調するように、年齢とともに変化するスカパンの魅力もまた注目だ。

 大森博史、武居卓、串田と小日向のそれぞれの息子、串田十二夜(じゅうにや)、小日向星一らが出演。神奈川公演は10月26~30日、KAAT神奈川芸術劇場(横浜市中区)で開催。問い合わせはチケットかながわ電話(0570)015415。

2022年9月28日公開 | 2022年9月28日神奈川新聞掲載

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