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横濱 JAZZ PROMENADE 日野皓正が初参加 10月8日、関内ホール

今年で30年目を迎えるジャズフェスティバル「横濱JAZZ PROMENADE」(ジャズプロ)は、コロナ禍を経て3年ぶりにライブが開催される。10月8日、関内ホール(横浜市中区)のステージに立つ世界的ジャズトランペッターの日野皓正(てるまさ)に、ジャズプロ初参加の意気込みを聞いた。
米国でフロリダとニュージャージーに自宅を持ち、80歳を目の前にして旺盛な演奏活動を行う日野。
「45歳の時に、このままだと年を取ってから吹けなくなると思い、お酒は一切やめた。たばこも吸ったことがないし、一時は玄米ばかり食べていた」と笑う。
意外にもジャズプロには初登場。ここ1年ほど組んでいるというクインテットを率いるほか、トランペット三重奏に初めて挑戦する。「弦楽カルテットをテレビで見ていて、トランペットで三重奏をしたらいいなあと思って、曲を書いてみた」と明かす。
「クラシック調もあるし、雅楽風にしてみたり。ピアノが弾けないので、コード進行を頭の中で考えながら作曲する」という。
ジャズにはビバップやディキシー、フリージャズと時代に沿ってさまざまなスタイルが生まれてきた。
「古いスタイルであっても、今の時代を表すことはできる。一音に命を張らなくちゃいけない」との思いがある。絵画制作や作陶にも取り組み、「無から創り出すものは全て同じ。そこに伝えようとするメッセージがこもっているか、いないか」と熱く語る。
タップダンサーでトランペット奏者だった父・敏の影響で、5歳からタップダンスを始めた。9歳になると「父のお古のトランペットを渡されて、『1日2時間吹け』と。うちの家系だし、勉強はできないし、我慢してやっていた」と振り返る。
14歳で父の背広を着て、髪をなでつけ、新宿のキャバレーで演奏した。
「フロントの女性が『あなたいくつ?』って聞いてきて、『14』って答えるとぶぜんとしていた。埼玉や厚木、沖縄の米軍基地、横浜・本牧のジャズクラブ。いろんなところで演奏してきた」
「住みにくい世の中になっている」と嘆く。「プーチン大統領にしたって、誰にしたって、自分勝手に生きている。人のことを思いやって、愛をもって生きていかなきゃならないのに。そんな中で、生身の演奏でお客さんに喜んでいただいて、人とのコミュニケーションの大事さや、人と人との絆を伝えたいですね」
「日野皓正クインテット&トランペット三重奏」は午後3時開演。4千円。問い合わせは関内ホールチケットカウンター電話045(662)8411。
10月2日午後2時半開演、KAAT神奈川芸術劇場、「たをやめオルケスタwith土屋アンナ」、一般3千円ほか。
同5~10日、横浜市民ギャラリー、ジャズ専門誌「スイングジャーナル」特別展示、入場無料。
同10日午後3時開演、関内ホール、「el tempo(エル・テンポ) directed by シシド・カフカ with special guest 桑原あい」、4千円(前売り)。
問い合わせは横濱JAZZ PROMENADE実行委員会電話045(211)1510。
2022年9月28日公開 | 2022年9月28日神奈川新聞掲載
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