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　３０日からＴ・ジョイ横浜などで上映中。

　１９２０年代の英国、貴族の大邸宅「ダウントン・アビー」を舞台に、伯爵一家と使用人たち＝写真＝の暮らしを描く人気ドラマ。映画版第２作は、英国と南仏に分かれて二つの物語が同時進行する盛りだくさんな内容だ。

　伯爵家の亡き三女シビルの夫で、新しい愛を見つけたトム（アレン・リーチ）の結婚式から物語の幕が上がる。お祝いムードに包まれる中、先代伯爵夫人バイオレット（マギー・スミス）が、ある人物の遺言で南仏リビエラの別荘を譲られたとの知らせが入り、息子の伯爵夫妻らが現地へ向かう。

　一方、ダウントン・アビーでは、屋敷を映画の撮影に使いたいとの申し入れが。屋根の雨漏りを修理する資金が欲しい長女メアリー（ミシェル・ドッカリー）が同意し、使用人一同はハリウッドからの撮影隊に胸を躍らせる。

　若き日のバイオレットにまつわるロマンスの真相と、無声からトーキーへ移行する映画撮影の裏側が見どころ。

　さらに、新しい価値観を登場人物たちが体現する姿には、共感させられる。例えば、裕福な貴族に嫁いだ次女イーディス（ローラ・カーマイケル）は出産後に雑誌記者の仕事を再開。流行の兆しを見せる南仏バカンスの記事を書こうとカメラを構える。こうした女性の社会進出を描き、説得力がある。

　素晴らしい衣装にうっとりし、ウイットの利いたせりふにクスッとさせられ、と大満足の一作だ。

監督／サイモン・カーティス
製作／英国、２時間５分

2022年10月3日公開　｜　2022年9月30日神奈川新聞掲載

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