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米国の劇作家ニール・サイモンの代表作「裸足で散歩」上演 10月8、9日、KAAT神奈川芸術劇場


 米国の劇作家ニール・サイモンの代表作「裸足(はだし)で散歩」(演出・元吉庸泰)が10月8、9の両日、KAAT神奈川芸術劇場(横浜市中区)で上演される。古びたアパートを舞台にした名作コメディー。出演する松尾貴史は「心地いい読後感のような感覚を味わえる」と作品の魅力を語る。

 1963年に米ブロードウェーで初演され、67年にロバート・レッドフォード、ジェーン・フォンダ主演で映画化。凍えるように寒い2月のニューヨークを舞台に、古いアパートの最上階に引っ越した新婚夫婦と風変わりな住人らが心温まる喜劇を展開する。

 生真面目な性格の新人弁護士ポール(加藤和樹)と、どんな状況でも楽天的なコリー(高田夏帆)はアパートの屋根裏部屋に住むビクター(松尾)と出会う。1人で暮らす母親のエセル(戸田恵子)とビクターを親密にさせようと企てるコリーだが、やがてポールと大げんかを始めてしまう。

 「ささいなアクシデントもポジティブな捉え方をすれば面白い転がり方をする。ちょっとした逸脱を楽しんでもらおう。そんな作者の思いが込められている」と本作を解釈する松尾は、自身が演じる変わり者のビクターを「人生を実験しているような人」と評する。

 「話していることがどこまで本当かうそか分からない。こう言えば面白くなるのでは、と考えるような『愉快犯』。近くにいたら迷惑だけど、演じていて楽しいです」と充実の笑みを浮かべる。


「感情の行き違いから生まれるコメディーを楽しんでほしい」と話す松尾貴史
「感情の行き違いから生まれるコメディーを楽しんでほしい」と話す松尾貴史

 今月下旬まで自由劇場(東京都港区)で開催した東京公演で確かな手応えを感じた。「ここがギャグです、と明確に示す場面がなくても、想像を膨らませたお客さんがくすくすと反応してくれる。毎回違うところで笑いが生まれるのが新鮮でした」

 「笑いというのは強弱や緩急が必要。怒らせる、泣かせる、びっくりさせるのは簡単だけど、コメディーを演じるのが一番難しい」と語るように、一筋縄ではいかない喜劇の難しさと日々向き合っているという。

 主人公たちは深刻ではないように見える問題にも真剣にぶつかる。「客席から見ると滑稽だけど、当事者たちは何か懸命にやっている。悲劇につながりかねないとの思いでいる彼らを、離れて見てくれるお客さんがいるからこそ喜劇が成立するのだと思います」

 軽妙なやりとりによって心地よい「読後感」のようなものを感じられるのが本作の魅力だと言う。コロナ禍や不景気、政治不信…。日本社会に閉塞(へいそく)感が漂っていると指摘する松尾は、神奈川公演でも観客の心が晴れるひとときを提供することを目指している。

 「大勢のお客さんが3ミリぐらい近づいてみようと思える公演にしたい。その姿勢が掛け合わさることで世の中が盛り上がる気がするんです。帰路に就く時に見た人の足取りが軽くなるような、そんな舞台を届けられたらいいですね」

 翻訳は福田響志。松尾らの他に本間ひとしが出演。8日正午、午後4時半、9日同1時開演の3公演。S席7800円、A席6千円。問い合わせはチケットスペース電話03(3234)9999。

2022年10月3日公開 | 2022年9月30日神奈川新聞掲載

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