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気になる 半世紀超の活動を紹介 横浜の2会場でシュウゾウ・アヅチ・ガリバーの大規模個展

二つの巨大なスタンプとベッドなどを組み合わせたインスタレーション作品=BankART KAIKO
二つの巨大なスタンプとベッドなどを組み合わせたインスタレーション作品=BankART KAIKO

 国内外で活躍する現代美術家、シュウゾウ・アヅチ・ガリバー(75)=東京都在住=の大規模個展「消息の将来」が、BankART KAIKO(横浜市中区)とBankART Station(同市西区)の2会場で開催中だ。オブジェ、版画、写真、インスタレーションなど、初期から最新作までの計約220点を公開。戦後美術に独自の存在感を持つ多様な芸術と、半世紀を超える活動が一望でき、アヅチの作品を深く知ることができる。

 滋賀県出身。高校在学中から手探りでパフォーマンスなどの制作を始め、上京後は実験的な映像作品を発表するなど、1960年代後半の文化芸術の現場を駆け抜けた。73年から、自らの肉体や構造から着想した代表作「肉体:契約」シリーズを発表。昨年、米ニューヨーク近代美術館(MoMA)に作品が収蔵・展示公開された。


BankART Stationの展示風景
BankART Stationの展示風景

 個展はこれまでの活動をテーマごとに分類し、アヅチ自身が構成した。

 「BankART Station」会場では、自身の死後、肉体を80に分割しその保管を依頼する代表作「肉体:契約」プロジェクトを展示。加えて、同展のために制作した「横浜ポスター2022」も並ぶ。横浜の風景写真に時刻のような数字を刻んだ作品で、30点のうち18点はみなとみらい線各駅構内や、ぷかり桟橋など会場周辺に点在。一見しただけでは美術作品とは分からないほど、街の中に溶け込んでいる。


BankART Stationに掲示された新作シリーズ「横浜ポスター2022」
BankART Stationに掲示された新作シリーズ「横浜ポスター2022」

 「BankART KAIKO」会場には、DNAを構成する四つの塩基の頭文字「A・T・C・G」が刻まれた巨大なスタンプとベッドなどを組み合わせた「甘い生活」、死ぬまでに発音するすべての音を、単音ごとに誰かに贈るプロジェクト「発音の贈与」シリーズなども並ぶ。


作品について解説するシュウゾウ・アヅチ・ガリバー=横浜市西区
作品について解説するシュウゾウ・アヅチ・ガリバー=横浜市西区

 タイトルの「消息の将来」は、アヅチが昔から使っている言葉だ。「僕が考える消息は、ゲーテの『ファウスト』に出てくる“光は何か”と問うせりふに似ている。我々の目の前のものとの間に消息はある」と話す。「世界はいつでも初めて見るような感覚で、不思議でしょうがない。その思いから、いろいろなものが放浪するようにアイデアが湧き出て創作につながる」と思いを語る。

 27日まで。無休。観覧のみ1200円、カタログ付き3800円(会期中再入場可)。問い合わせはBankART1929☎045(663)2812。

2022年11月7日公開 | 2022年11月7日神奈川新聞掲載

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