とれたて
レンコン
教えて!緒方湊くん 野菜ソムリエプロに聞くおいしい野菜&フルーツの見分け方<レンコン編>

「未来を見通す」として、縁起が良いとされるレンコン。スーパーでは一年を通して売られていますが、旬は秋です。夏の新レンコンは水分が多く、とてもみずみずしいのが特徴ですが、これから冬にかけては、でんぷんを蓄え甘くなっていきます。
レンコンは「蓮(はす)の根」と書きますが、実際は“根”ではなく“茎”、正確には地下茎を食べています。花の実(蓮の実)や若葉も食べることができます。
レンコンと言えば、「穴」が特徴です。真ん中に1個、周りに8~9個開いています。
何のために穴が開いているのでしょう?
A レンコンが呼吸をするため
B 栄養の通り道

正解はAの呼吸をするためです。
レンコンは蓮田(地域によって畑)で栽培され、泥沼の深いところで育っているため、酸素を取り入れるために水上(地上)の葉とつながり、穴から空気(酸素)を取り込んでいます。また、たまったガスを泥沼の中に排出するので、通気口のような役割を持っているのです。より空気を届けるために、穴が大きくなったといわれています。
穴は呼吸のためにありますが、空気と触れると酸化してしまいます。レンコンを選ぶ際、穴の中が黒ずんでいるものは避け、できるだけ穴が小さいものを選ぶようにするのがお薦めです。
〈栄養〉
昔から、せきや喉の痛みに効果がある食べ物として知られていますが、花粉症などのアレルギー症状を抑える効果も期待されています。ポリフェノールの一種であるタンニンは、消炎作用だけでなく抗酸化作用もあるため、旬の今、積極的にレンコンを取り入れてみてはいかがでしょうか。
タンニンは皮と節の部分に多く含まれているので、皮をむく場合は丸めたアルミホイルでこするなど、できるだけ皮にある栄養をとり、節の部分も切り落とさずに食べるようにするのがお薦めです。
〈食べ方〉
11~12月のレンコンは、どのような調理方法でもおいしいです。僕がいつもしているのは「レンコンチップス」です。薄くスライスして素揚げにするだけですが、カリっとした食感でいくらでも食べることができます。これから寒くなる冬のレンコンは、水分が抜け糖度も上がりますが、皮がかたくなり繊維も太くなるので、輪切りにして天ぷら、煮物などがおすすめです。時間に余裕があれば、軽く蒸した上でフライにすると、サクっとした衣とホクホクのレンコンがマッチしてとてもおいしいです。穴が空いていて火が通りやすいので、煮過ぎたり、炒め過ぎたりしないようにしましょう。
〈部位によっての使い分け〉
部位によって料理を使い分けると、より効果的です。先端部分のカニの爪のような形の第一節は「芽バス」とも呼ばれ、やわらかくシャキシャキ感を生かしたサラダや炒め物にぴったりです。第二節は、第一節に比べると身が締まっているので天ぷらなどの揚げ物や煮物、第三節は身も締まり、繊維質が豊富で、粘り成分が強いので、味の濃い料理や、すりおろしてレンコン鍋などに利用するといいでしょう。
2022年12月1日公開 | 2022年12月1日神奈川新聞掲載
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