気になる 有隣堂(横浜市中区)、2022年の売り上げベスト20 1位に輝いたのは
- 有隣堂(横浜市中区)

今年の神奈川ではどんな本が人気を集めたのか─。県内に多くの店舗を持つ有隣堂(横浜市中区)に今年の全店売り上げ総合ベスト20(1月~11月、コミックを除く)を聞いた。人気作家の作品だけでなく、混迷する世界情勢や持続可能な未来を取り上げた本にも関心が集まった。
ベスト20のうち14点を文芸作品(文庫本を含む)が占めた。1位は東野圭吾の「希望の糸」(講談社)、2位は原田ひ香「三千円の使いかた」(中央公論新社)。映像化されたものを中心に心を揺さぶる人間ドラマを描いた作品が人気を集めた。
3位に入ったのは和田秀樹「80歳の壁」(幻冬舎)。老いを新しい視点からとらえた一冊で、「嫌なことを我慢せず、好きなことだけする」と説く。
有隣堂エリアマネジメント課の神谷康江課長は、「人生100年時代の『長生きするというストレス』を楽にしてくれる内容が受け、中年以上の世代の注目を集めました」と話す。

世界情勢への高い関心も売り上げに表れた。「ウクライナ情勢への関心から、ヨーロッパ戦のフィクションやロシアの軍事戦略本などが売れた」と神谷さん。逢坂冬馬の「同志少女よ、敵を撃て」(早川書房)をはじめ、深緑野分の「ベルリンは晴れているか」(筑摩書房)が好調な売れ行きだったという。
「両書とも第2次世界大戦を舞台にしているとはいえ、現在のウクライナ情勢と重なる。特に若い層が深く関心を持っているようです」。「現代ロシアの軍事戦略」(筑摩書房)、「知らないと恥をかく世界の大問題」(KADOKAWA)などのノンフィクションも堅調だった。
持続可能な開発目標(SDGs)関連本にも静かな支持が広がった。池上彰の「世界がぐっと近くなる SDGsとボクらをつなぐ本」(学研プラス)がトレンドをけん引。「昨年まで売れ行きが鈍かったのですが、徐々に市民権を得て来たのではないでしょうか」
1日に日本出版販売が発表した今年のベストセラー1位は「80歳の壁」。2位が永松茂久の「人は話し方が9割」(すばる舎)、3位が厚切りジェイソンの「ジェイソン流お金の増やし方」(ぴあ)となり、生活に身近なテーマに関連する作品が関心を集める結果となった。
2022年12月31日公開 | 2022年12月22日神奈川新聞掲載
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