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回顧2022
神奈川の文学界、2022年を振り返る 砂川が芥川賞、逢坂のデビュー作が大ヒット

1月、神奈川大学出身の砂川文次が「ブラックボックス」で第166回芥川賞を受賞した。社会と自分自身にいらだち、もがき続ける自転車メッセンジャーの姿を圧倒的な熱量で描き、緻密な描写と今日的な主題が高く評価された。
1990年生まれの砂川は自衛隊在籍中に書いた「市街戦」(2016年)で文学界新人賞を受賞しデビュー。芥川賞は3度目のノミネートで受賞となった。
逢坂冬馬のデビュー作「同志少女よ、敵を撃て」が累計48万部を超えるヒットを記録した。日本出版販売とトーハンが発表した22年上半期のベストセラー2位。本屋大賞も受賞し、今年を代表する一作になった。
第2次世界大戦中のソ連で、ドイツとの戦いに身を投じていく女性狙撃兵たちの過酷な物語だが、魅力的な人物造形と読みやすい文体で若い世代にも支持された。逢坂は1985年生まれ、明治学院大学卒業。
また、座間市在住の高校3年生、高野知宙(ちひろ)が第3回京都文学賞中高生部門最優秀賞を受賞。受賞作を改題した「ちとせ」で小説家デビューを果たした。
10月、神奈川近代文学館館長の辻原登が文化功労者に選ばれた。歴史活劇や犯罪小説など幅広いジャンルの作品を手がけているほか、93年から2019年まで東海大学で教壇に立つなど、文学の振興にも力を注いでいる。
2022年12月26日公開 | 2022年12月26日神奈川新聞掲載
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