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ピアノ・リサイタル
デビュー30周年「より濃密に」 ピアニスト・横山幸雄、2月に横浜・MMで演奏会
- 横浜みなとみらいホール(横浜市西区)

艶やかな音色で人気のピアニスト、横山幸雄(51)が名曲を奏でる演奏会を2月5日、横浜市西区の横浜みなとみらいホールで開く。ライフワークとして取り組むベートーベンとショパンに、リストやラフマニノフを加えたぜいたくな演目。横山は「いいプログラムになった」と自信を見せる。
2021年にデビュー30周年を迎えた横山。「客観的に見ればベテランになったけれど、デビューした頃の感覚がまだ残っていて、ずっと抜けない」と話す。
だが、意識する、しないにかかわらず、30年以上毎日のようにステージに立ち、得られたものがある。「ベテランらしく弾こうなんて余計なことは考えず、自分が思っているものを伝えようと、その時の最善で弾いている」という。
かつてはショパン全曲を弾くなど数にこだわったこともあったが、「レパートリーを広げるより、より濃密な方向へと厳選していきたい」と抱負を語る。
今回のプログラムにも、そうした深みのある選曲が反映された。ベートーベンの「ピアノ・ソナタ第14番 月光」と、「ベートーベンの枠を打ち破り、『これがソナタか』と思わせる」というリストの「ピアノ・ソナタ ロ短調」を前半に。後半は、今年が生誕150年となるラフマニノフの「10の前奏曲」から2曲と、円熟期を迎えた頃のショパンの「バラード第4番」「ポロネーズ第6番 英雄」などをそろえた。
ラフマニノフへの敬意を込めて自ら作曲した「オマージュ・ア・ラフマニノフ~“ヴォカリーズ”」も披露する。ラフマニノフの名曲「ヴォカリーズ」のメロディーを取り込み、緻密に構築されたピアノの音色が広がる美しい曲だ。「リクエストは多いが、ステージではあまり弾いていない。難しいから」と笑う。
現在は東京都内で暮らすが、小学3年生から16歳でパリに留学するまで、横浜市鶴見区で過ごした。県民ホールや県立音楽堂は、演奏会に足を運んだり、自分自身が舞台で弾いたりして、よく通った場所だという。
横浜みなとみらいホールが開館すると、ピアニストとしてさまざまな演奏会に出演した。「みなとみらい地区は行くたびに変わっていた。元気な日本を感じてわくわくした」と街の発展ぶりを振り返る。
「どんどん便利な世の中になり、情報の発信も受信も自由。瞬間的に面白いと思えるものであふれている。人間はそういうものに流れる気がする」と社会を分析する。そんな中で「(クラシックへの)門を広くし、どこにでも門を作ることが必要」だという。
21年にショパン国際ピアノコンクールで日本人の入賞が相次いだこともあり、若手ピアニストに注目が集まっている。1990年の同コンクールで、当時日本人として最年少の19歳で入賞を果たした先輩として、「いろんな人が出てくることで、音楽界が盛り上がるのはいいこと」と喜ぶ。
「横山幸雄 ピアノ・リサイタル」は午後1時半開演。全席指定S席6500円ほか。問い合わせは神奈川芸術協会、電話045(453)5080。
2023年1月14日公開 | 2023年1月13日神奈川新聞掲載
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