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全国切手展で神奈川在住の郵趣家2人 自慢のコレクションでテーマ性ある作品を出品

毎年開催されている日本最大級の切手イベント「全国切手展」(略称・JAPEX)。国内有数のコレクターによるコレクション展示は見どころの一つになっている。昨秋の同展で、自慢のコレクションを使ってテーマ性のある作品を出品した県内在住の郵趣家2人に、その魅力を聞いた。
作品に使うのは、切手や絵はがき、消印のある使用済み封筒など。関連資料を使う場合もある。郵趣的に価値のある切手を使うと、収集家の垂ぜんの的にもなる。見る者をいかに引きつける構成にするかが、腕の見せどころだ。作品はA4判程度の台紙(リーフ)に切手などを並べて作る。リーフ16枚が展示パネル1枚分(1フレーム)になる。

小林伸佳(のぶよし)さん(66)=横浜市保土ケ谷区=が取り上げたのは、米国で1954年から65年まで普通切手として使われたリバティー・シリーズ。自由の女神像が図案化されていることがシリーズ名の由来だが、大統領や著名人の肖像、有名な建物も図案として使われている。発行順にそろえ、印刷方法の違いなどにも着目してリーフを作成した。

小林さんが切手の収集を始めたのは高校生の頃。「手に入れやすく、収集家が多くて知識も得やすい」と米国切手を主に集めている。大学に進んでからは「アメリカ郵趣研究会」に所属し、現在は会長を務める。「米国切手は基本的に凹版印刷。ルーペで拡大してもシャープで美しい」ことが最大の魅力だという。

池澤克就(かつなり)さん(50)=藤沢市=は、千円札の顔としてもなじみのある細菌学者・野口英世に注目した。
「2024年にお札の肖像が変わる。改めて生涯をたどってみようと思った」と、野口が描かれた切手や絵はがきを中心に構成。生家や記念館を訪れてパンフレットや写真をそろえ、小説や映画に関する資料も加えた。3フレームから成る力作だ。

「作家や芸術家の生涯に興味がある」という池澤さんは、同展に毎年出品している。「ゆかりの地を回るのが好きで、パンフレットや絵はがきを眺めていると作品にできるのではないか、とアイデアが浮かんでくる」とほほ笑んだ。
切手から広がる豊かな世界は、マニアでなくても楽しめる。次回の「JAPEX2023」は11月3~5日、東京都台東区の産業貿易センター台東館で開催予定(有料)。問い合わせは日本郵趣協会、電話03(5951)3311。
2023年1月17日公開 | 2023年1月17日神奈川新聞掲載
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