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門脇麦さんに聞く ドラマで元天才バイオリニスト役「練習が大変」

オーケストラを舞台にしたドラマ「リバーサルオーケストラ」の主人公・谷岡初音を演じている。
市役所に勤める元天才バイオリニストという役柄で、「バイオリンの練習が大変」と苦笑する。「見る人が見れば、何の曲を弾いているのか指の位置で分かる」という演奏場面。練習を重ねて臨んでいるが「正しいかどうかよりも、気持ちよく音楽を奏でる姿を通して、見る方が何かを感じ取ってもらえれば」と話す。
初音は自分がバイオリンに熱中したせいで家族につらい思いをさせていたと感じ、音楽の世界から身を引いた。だが、オーケストラの立て直しを任された強引な指揮者・常葉朝陽(ときわあさひ)(田中圭)の計画に巻き込まれ、その一員に。「音楽を心から楽しむことに罪悪感を抱く初音の心が、次第に解きほぐされていく様子を見てほしい」とほほ笑む。
複雑なヒロインの心の内を反映し、さまざまな顔が見える立体的な役作りに努めている。大事にしているのは、初音が音楽に関わることで「楽しいな、うれしいな」と感じている時の表情。「その気持ちが周りの人を動かしていくので、純度の高い喜びを表現したい」

「ポンコツ」と呼ばれ、巻き返しを図る弱小プロオーケストラとして神奈川フィルハーモニー管弦楽団が全面協力する。団員の演技も話題で、その効果か初回放送時は短文投稿サイト「ツイッター」で番組名が世界トレンド1位になった。
「団員の方々は本当に優しくて、温かいんですよ。大勢で音を重ねて一緒に弾いていると、自分もうまくなったかのような高揚感があって。オンエアで見ていても、込み上げてくるものがあります」
自身はかつてバレエダンサーを目指していたこともあり、チャイコフスキーやサンサーンスといったバレエと関わりの深い作曲家にはなじみがあった。クラシック好きの祖父との思い出も多く、「子どもの頃、家に遊びに行くと、いつもCDを貸してくれました」と懐かしむ。
「CMの背景に流れているなど、クラシックって日常生活の中に意外とあふれているんですよね。そういう聞き慣れた曲も登場するので、クラシックに詳しくない方にも楽しんでほしいです」

かどわき・むぎ
俳優。1992年生まれ。東京都出身。テレビドラマ「美咲ナンバーワン!!」(2011年)でデビュー。映画「愛の渦」(14年)ほかで、ヨコハマ映画祭・最優秀新人賞を受賞。NHK連続テレビ小説「まれ」(15年)などで注目を集める。「さよならくちびる」(19年)でヨコハマ映画祭・主演女優賞を受賞。最近の出演作は映画「天間荘の三姉妹」、ドラマ「ミステリと言う勿れ」「ダマせない男」「親愛なる僕へ殺意をこめて」、舞台「パンドラの鐘」「ケダモノ」など多数。日本テレビのドラマ「リバーサルオーケストラ」は水曜午後10時から放送中。
記者の一言
朝陽に「フレーズはバラバラ、リズムもずれている。でも音は悪くない」と評されるポンコツオーケストラの演奏を、神奈川フィルハーモニー管弦楽団が絶妙なさじ加減で音にしている。他にも、同楽団の音楽主幹・榊原徹さんがオーケストラ監督、音楽監督・沼尻竜典さんがオーケストラ監修、横浜みなとみらいホールの新井鷗子館長が音楽監修を務めており、神奈川ゆかりの音楽家たちがドラマに携わっている。劇中の音楽はピアニストで作曲家の清塚信也さんが担当し、どこかで聴いた名曲をこちらも絶妙にアレンジ。「2回目は音楽中心に見るのもいいかも。うちの母は2回目に見たら、結婚式で使った曲が流れていたのに気付いたそうです」と門脇さん。何度も見ると、思わぬ発見がありそうだ。
2023年2月13日公開 | 2023年2月13日神奈川新聞掲載
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