推し
詳細に解説するプレ・トークも
オペラと歌曲との関係ひもとく カウンターテナー彌勒忠史、3月に横須賀でコンサート
- 横須賀芸術劇場(横須賀市)

横浜市在住のカウンターテナー彌勒(みろく)忠史(54)が企画し、案内役として出演するコンサート「Non Solo Opera!(ノン ソーロ オペラ)オペラだけじゃない!」が3月5日、横須賀市の横須賀芸術劇場で行われる。知られざるオペラと歌曲との関係性をひもとき、興味をかきたてる。
オペラを身近に感じてもらおうと、これまでに同劇場で行ってきた「オペラ宅配便シリーズ」から派生した企画。オペラに登場する著名なアリアと密接に関係する歌曲を取り上げ、その背景をさぐろうというユニークなコンサートだ。
「コンクールでは歌曲部門、オペラ部門と分かれて審査されることがほとんど。でも、二つに隔たりがあるのだろうか、と思ってきた。単独で歌われる歌曲には、オペラからの転用が少なくない」と彌勒。
今回取り上げる、モンテベルディの「私を死なせて」は、今では失われてしまった歌劇「アリアンナの嘆き」のアリア。それが「こんな見事な替え歌があるか」というほど全く同じメロディーで、十字架にかけられたキリストへの聖母マリアの悲しみを歌う「聖母の涙」という宗教的な歌曲に生まれ変わっている。
こうした転用や楽器編成を変えるなどの編曲は、当時の音楽家には、よくあることだったという。「同じ曲をどう展開させるかは、音楽家としての才能の豊かさを見せる、腕の見せどころでもあった」
他にもヘンデルやモーツァルトを取り上げ、分かりやすい説明と演奏で紹介。前日にはプレ・トークを行い、詳細な解説を行う。
彌勒は音楽教師を目指して千葉大、同大学院で学んだが、在学中にイタリア歌劇の素晴らしさに触れて、東京芸大に入学。卒業後、オペラ歌手としてデビューした。演出家としても活躍しており、昨年は県立音楽堂(横浜市西区)でヘンデルのオペラ「シッラ」を、歌舞伎を取り入れた演出で上演し、これまでにない視点でクラシックの魅力を発信し続けている。
「大作曲家が、締め切りに間に合わず、過去の自作を新曲に転用したなど、知れば親近感が湧く。クラシックの見方も変わるのではないか」と期待する。
公演は午後2時開演。S席4千円、A席3700円。問い合わせは同劇場、電話046(823)9999。
プレ・トークは3月4日、午後2時~3時。無料。申し込みは同劇場のホームページまたは、電話046(828)1603。
2023年2月21日公開 | 2023年2月20日神奈川新聞掲載
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