とれたて
世界三大健康野菜
教えて!緒方湊くん 野菜ソムリエプロに聞くおいしい野菜&フルーツの見分け方<世界三大健康野菜編>

世界三大穀物は、小麦、米、トウモロコシ。世界三大珍味といえば、トリュフ、キャビア、フォアグラ。では世界三大健康野菜は?
ちょっと難しいですね。正解は「キクイモ」「ヤーコン」「アピオス」です。
「キクイモ」は、名前に「イモ」とありますが、ジャガイモやサツマイモのような〝芋〟ではなく、キク科ヒマワリ属の多年草です。見た目はショウガに似ていますが、菊に似た花が咲くので「菊芋」と名付けられたと言われています。キクイモは〝天然のインスリン〟と呼ばれる「イヌリン」という成分が多く含まれている野菜で、血糖値の上昇を緩やかにしたり、中性脂肪を下げることで注目されています。

でんぷんがほとんど含まれないので生食もでき、シャキシャキとした食感です。皮に多くのミネラルが凝縮していますので、できるだけ皮ごと食べるのがお薦めです。フライドポテトのように素揚げにして塩をふるだけでもおいしいです。キクイモは白色のものよりも大きい紫色の「紫キクイモ(フランスキクイモ)」もあり、「イヌリン」や「ポリフェノール」の割合が高くなっています。
「ヤーコン」は根の部分を食用とする根菜で、見た目が少し色の白いサツマイモのようです。ホクホクとした食感ではなく、梨のようにシャキシャキとしているのが特徴です。ほんのりと甘みがあり、水分豊富で生でも食べられます。
ヤーコンは野菜の中で一番「オリゴ糖」を含んでいます。オリゴ糖は「フラクトオリゴ糖」と言われる種類で、腸内で善玉菌を増やし、悪玉菌を減少させてくれることで、腸内環境を整えます。また、水溶性の食物繊維が豊富に含まれているので、腸内をきれいな状態にすることができます。オリゴ糖の他にも「ポリフェノール」が多く、赤ワインと同じくらいの量を含んでいます。ポリフェノールには、体をサビさせる原因となっている活性酸素を抑制する「抗酸化作用」という効果があり、肌のみずみずしさやハリが保たれるなどの美容効果のほか、血管を健康に保つことで心筋梗塞や脳梗塞の予防にも効果的です。

「アピオス」は、「アメリカホドイモ」とも呼ばれ日本にある「ホドイモ」とは別種です。ジャガイモとサツマイモを合わせたような味でホクホクとした食感です。原産地の北アメリカでは「インディアンの戦闘食」とも呼ばれ、1日3粒で元気回復といわれるほどカロリーが高く、米先住民族のスタミナ源として食べられていたと言われています。
また鉄分、タンパク質、カルシウム、食物繊維、サポニン(血糖値を下げる働きが期待される成分)やペプチド(血圧降下作用が期待される成分)もあり、栄養価の高い野菜です。アピオスはマメ科なので、豆料理のように塩ゆでにしたり、炊き込みご飯にしたりします。
プロフィール:緒方 湊(おがた・みなと) 2008年3月生まれ。6歳で野菜づくりを始める。8歳で野菜ソムリエ、10歳で野菜ソムリエプロに合格(いずれも当時の最年少記録)。横浜DeNAベイスターズの大ファン。
2023年2月24日公開 | 2023年2月23日神奈川新聞掲載
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