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繊細で華美
7人の情熱と超絶技巧を間近で そごう美術館で女性切り絵作家の展覧会
- そごう美術館(横浜市西区)

女性切り絵作家に焦点を当てた展覧会「日本の切り絵 7人のミューズ」展が、そごう美術館(横浜市西区)で開催中だ。代表作から新作まで7人が創作した112点を展示。作家それぞれの感性と手法を駆使し、1枚の紙から広がる現代日本の切り絵の繊細で華麗な世界を楽しめる。
切り絵は、はさみやナイフで素材となる紙の特性を最大限に生かしながら切り抜き、台紙などに貼ることで表現する。切り進めた断面や線を生かすことで独特の効果が生み出される。
国内外で活躍する蒼山日菜(あおやまひな)=横浜市出身=は、表が黒、裏が白の紙を使ってレース編みのような切り絵を手がける。創作を始めたのはフランスに住んでいた2000年。使うのは小さなはさみ1本だけで、紙を動かしながら反時計回りにはさみを入れ、中心から外へと向かって切り進めていく。

今展には、尊敬する哲学者・ボルテールの文章をレースのように細かく切り出した代表作「Voltaire」(09年)を出品。製菓メーカーとのコラボレーションで誕生した、女神をモチーフにした新作の原画と、それらをあしらったパッケージも並ぶ。切り出される最も細い線は0・3ミリほどで、どれも繊細だ。
このほか、紙を切ったり曲げたりして作る彫刻のような「立体切り絵」や、日本古来の渋紙を用いた作品なども並ぶ。担当学芸員は「伝統的なものから立体やコラージュ、インスタレーションまで多様な作品が並びます。作家の情熱が刻み込まれた超絶技巧と世界観を間近で堪能してほしい」と呼びかける。
3月19日まで。一般1200円ほか。問い合わせは同館、電話045(465)5515。
2023年2月26日公開 | 2023年2月23日神奈川新聞掲載
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