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産地直売
甘み凝縮、1時間で完売のイチゴ 佐野ストロベリーファーム(開成町)
- 佐野ストロベリーファーム(開成町)

昔ながらの土耕栽培で、味わいと糖度にこだわったイチゴが人気の農園「佐野ストロベリーファーム」(開成町)。ハウス隣接の直売所は、週末には開店から1時間で完売してしまうほど。
園主は異業種から農家に転身し10年目になる佐野晃一さん(41)。24種類の有機物をブレンドした土、収穫量よりも味のよさを優先し、与える水の量を絞ることで甘みを凝縮させる。

栽培するのは4品種。果肉まで赤いジューシーな「かなこまち」は県内発の新品種。ピンク色の「桃薫」はモモのような香りと味わいで柔らかな食感。ほかにも「紅ほっぺ」や「おいCベリー」が実る。

佐野さんの育てるイチゴは、香り高く、ジューシーでいて甘みが強い。昨年からスタートしたイチゴ狩りも好評で、来年にはイチゴ狩り専用ハウスを1棟開設予定だと意気込む。

10年前に地元に帰ってきた佐野さん。久しぶりに見た故郷は、耕作放棄地が増え、子どものころ慣れ親しんだ緑ある景色とは様変わりしていた。自分に何かできないかと就農を決意。
松田、大井、開成町で計20万平方㌔(2㌶)の農地でイチゴ、オクラ、ナスなどを栽培しながら、足柄上農業委員会連合会会長を務めるなど活躍が目覚ましい佐野さんだが、就農当初は農業研修も情報がなく不安で、販路や中山間地域に合った農業にたどり着くまで苦労が多かったそう。「なぜ若者が農業から離れていくのか身をもって体験した。農業の印象を変えたい」と力を込める。

疑似農業研修の実施、西湘地域の若手農家で結成する団体の運営や、新しい流通方法の模索など、活動は多岐にわたる。「IT化やブランディングなど、農業にはビジネスチャンスがまだまだある。農作物の輸出や途上国での技術指導など、海外への展開も目標の1つ」と希望に満ちた表情で語った。

ここで買える
開成町牛島63。小田急線開成駅徒歩15分。午前10時~午後5時(売り切れ次第終了)。最新情報はfacebookから。電話080(5685)1549。
お薦め品
イチゴ各種:1パック=600~900円
イチゴ狩り体験
5月初旬までの予定。30分2800円。未就学児(0~3歳は無料)1800円。65歳以上2600円。
※魚介類や野菜など生鮮食料品の価格・種類は、水揚げ量や収穫量、天候などの影響で変動します。
2023年3月4日公開 | 2023年3月2日神奈川新聞掲載
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