気になる 21日に「横浜うたまつり」 中川晃教「この日、この場所でしか聴けない響きを」
- 横浜みなとみらいホール(横浜市西区)

オペラ、ミュージカル、ポップスとジャンルを超えた歌の魅力を届ける「横浜うたまつり」が21日、横浜みなとみらいホール(横浜市西区)で行われる。同ホールの初代プロデューサーinレジデンスを務めるカウンターテナーの藤木大地が、自身の歌への思いから生み出した企画。出演者の1人で、ミュージカルの舞台を中心に活躍する中川晃教は「この日、この場所でしか聴けない響きを、ぜひ体験してほしい」と来場を呼びかけた。
中川は2001年にシンガー・ソングライターとしてデビュー。翌年、ミュージカル「モーツァルト!」の主役に抜てきされ、文化庁芸術祭賞演劇部門新人賞などを受賞。16年にはミュージカル「ジャージー・ボーイズ」で主演し、菊田一夫演劇賞に輝くなど、数々の舞台で活躍してきた。

今回は、藤木やソプラノの中村恵理、アーティストのサラ・オレインと一緒に歌声を披露する。「『本当に優れた歌手が集えば、ジャンルの壁は取り払われる』という藤木さんの考え方に共感している。声をかけていただき、本当にうれしい」とほほ笑む。
「モーツァルト!」から、歌い慣れたナンバー「僕こそ音楽」を歌う。阪(ばん)哲朗が指揮する山形交響楽団との初共演となり、「いろんな場所で歌ってきた曲だが、クラシックホールならではの特別感がある。この日にしか聴けない組み合わせで、どんな響きになるのか、僕自身もわくわくしています」と期待を寄せる。
「ウエスト・サイド物語」の「マリア」はソロで、「トゥナイト」は中村とのデュエットで届ける。「ミュージカルといっても幅が広く、クラシック寄りのバーンスタインが手がける同曲は、僕にとっては挑戦であり、身が引き締まる思い」という。
全員で歌う「レ・ミゼラブル」の「民衆の歌」は、英語での歌唱。「オペラ歌手の方は原語で歌われることが一般的だが、ミュージカルでは翻訳された日本語で、滑舌良く歌うことが求められる。そうした違いも、それぞれのファンには新鮮に感じられるかも」

歌手だった母の影響もあり、子どもの頃から歌が好きだった。「母には『歌は語るように、せりふは歌うように』と教えられた。歌うときは言葉を大切にしています」
新型コロナウイルス禍では、2020年4月に出された最初の緊急事態宣言が解除されて間もなくの時期から、帝国劇場や明治座の舞台に立ち続けてきた。
「不安に思いながらも、客席に座っていたお客さまもいらっしゃった。ありがたいこと」と感謝の念を抱く。観客が劇場へ戻ってきていると実感してはいるが、「舞台で喜んでいただけることを当たり前のことと思わず、初心を忘れずに取り組みたい」と語る。
昨年11月に40歳を迎え、若手とベテランをつなぐ、自らの立ち位置を再認識している。「ミュージカルの良さを、次世代にもっともっと伝えていきたい。そのためにも、こうして違うフィールドに飛び出してミュージカルの魅力を伝えることで、裾野を広げていきたいですね」
午後6時半開演。全席指定S席1万円、A席7千円。問い合わせは同ホールチケットセンター、電話045(682)2000。
2023年4月16日公開 | 2023年4月14日神奈川新聞掲載
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